なかには無視している者もいるが、原則として列車内での電話は禁止。新幹線や特急でもデッキでの通話がルールとなっているが、最近は一部の新幹線で座席でも通話がOKになっているのをご存じだろうか?
JR東海は10月1日から東海道新幹線の新型車両N700S系の編成の限定ながら従来の2倍の通信速度、かつ時間無制限のWi-Fiサービス「S Wi-Fi for Biz」の提供を開始。しかも、座席での通話に加え、パソコンなどを使ったオンライン会議もできるようになり、移動中の車内でも打ち合わせなどをしなければならない出張のビジネスマンからも好評だ。
でも、すべての車両で解禁されたわけではなく、現時点では指定席の7号車とグリーン車の8号車の2両のみとなっている。
「通称S Workと呼ばれるこの車両は、EX予約・スマートEXのネット販売限定で事前予約が必要です。でも、通常は30分で一度切れ、再接続が必要な新幹線のWi-Fiサービスがこの車両はずっと繋ぎっぱなしですし、時間帯によっては座席の争奪戦が起きるほどの混雑が予想されます」(鉄道ライター)
実は、車内通話とオンライン会議を可能にした似たようなサービスは、JR九州が今年6月14~30日の平日、九州新幹線が一部の列車を対象に試験的に導入。また、JR東日本も11月22日から平日限定で、東北・北海道・北陸・上越新幹線の8号車を「新幹線オフィス車両」として解禁(※こまち号・つばさ号・つるぎ号を除く)。ただし、東海道新幹線と違って座席の予約はできないという。
「逆に通話などの喋る声やキーボードを叩く音がストレスに感じる方は、対象の車両を避ければいいので棲み分けができます。今年に入って一気に新幹線で普及したため、今後は在来線や私鉄の特急などでも同様のサービスが実施されるかもしれません」(同)
出張でも移動中の車内くらいはのんびりしたい気もするが、新幹線がオフィス空間として快適な環境になるのはビジネスマンにとっては朗報といえそうだ。
(高島昌俊)