大谷翔平選手は大忙しとなりそうだ。米オールスターゲーム・ホームランダービーの組み合わせが発表され(7月8日/日本時間)、大谷はナショナルズの新鋭、フアン・ソト外野手と1回戦を戦うことになった。同日は「保湿室に保管しない乾燥したボール」が使用される。ホームランダービーを盛り上げるための“特別ルール”だ。
飛距離を争う豪快なショーとなりそうだが、肝心な球宴本番の“特別ルール”については何も発表されなかった。
「エンゼルスのジョー・マドン監督は大谷の起用法について、ア・リーグを指揮するケビン・キャッシュ監督と話し合ったそうです。投手と野手の両方で出場する、と。でも、大谷はDHで選ばれたので、二刀流での出場は色々と問題があって…」(在米ライター)
投手と野手の両方で出場する方法はいくつかある。その一例が、シーズン同様、DH制を解除してオーダーを組むこと。だが、そうすると、全員出場を目指す球宴の特質上、他選手に迷惑が掛かってしまう。DHでスタメン出場し、いったん下がった後、再び投手出場できる“特別ルール”を予想する声もあったという。
「ホームランダービーの組み合わせが発表された時点で球宴本番のことが語られなかったことで、『球宴は通常ルール』との見方も強まってきました」(同前)
また、DH制解除による大谷の先発登板にも否定的な声が出始めた。球宴で投げるピッチャーはMLB機構と監督の推薦によって決まる。つまり、先発投手は「リーグの顔」。話題独占中の大谷であっても、他投手のメンツが許さないだろう。
「ルールブックに忠実に従えば、DHで出場中の選手はブルペンに入れません」(ベテラン記者)
そこで、急浮上してきたのが“三刀流”だ。
DH部門のファン投票1位で選ばれた以上、まずはDHでスタメン出場させる。次に守備に着いた外野手とポジションを交代させ、大谷を守備に入れる。「外野手」となって、打順がまわらない自軍の攻撃中にブルペンに行かせ、ピッチャー登板するというプランだ。
米球宴では出場投手は1イニングか2イニングで投げて交代する。DH、外野守備、投手と大忙しになるが、これなら、懸念された後半戦での球宴疲労も防げるだろう。
「二刀流が今年の球宴のハイライトになるので、大谷の登板を最後までとっておくことも考えられます」(同前)
ということは、大谷は途中出場、もしくは、球宴では異例のフル出場となるかもしれない。そのときは「球宴MVP」の可能性も高まってくる。
ホームランダービーでの優勝、球宴MVP、大谷はその両方を狙える。「大谷の、大谷による、大谷のための晴れ舞台」、球宴本番も大谷が主役となりそうだ。
(スポーツライター・飯山満)