春のGⅠシリーズは「宝塚記念」でオーラス! いよいよ本格的な夏競馬の開幕に臨み、アサ芸では上半期に勝ちまくった3大騎手の人気、枠順、レースの格などを、あらゆる角度から総点検。すると、全幅の信頼を集める人気ジョッキーたちの死角が浮かび上がってきたのである!
今年の重賞成績はC・ルメール(42)が7勝、川田将雅(35)は11勝、福永祐一(44)が4勝。実にこの3人だけで前半戦の重賞65戦中の3分の1以上の勝ち鞍を独占している(6月13日終了時点、JRAのみ。以下同)。
競馬ファンならオッズよりも先に赤ペンでチェックする人気ジョッキーたちに違いないが、近走のデータを洗い出すと、全幅の信頼を覆す「買ってはいけない」ウイークポイントが見えてきた。
まずは、ヴィクトリアマイルを単勝1.3倍のグランアレグリアで勝つなど、重賞では常に圧倒的な単勝支持率を誇るルメール。しかし、ここ1年は「格の低い重賞ほど危険」という奇妙な傾向があるのだ。
週刊アサヒ芸能連載でもおなじみの伊吹雅也氏が語る。
「GⅠは24戦15連対で連対率が6割超と活躍しています。その一方、GⅢは3着内率が3割台半ばにとどまっているうえ、単勝回収率は39%(複勝回収率55%)でした。宝塚記念が終わると、GⅠは10月3日のスプリンターズS、GⅡは8月22日の札幌記念まで施行されませんから、しばらくの間、重賞では積極的に嫌っていくべきでしょう」
今年のGⅢは18戦に騎乗して、うち14戦で1、2番人気に支持されているが、勝ち鞍は2つのみ。1月の京成杯をグラティアスで勝ったのを最後に、14戦連続で勝利から遠ざかっているのだ。GⅢ中心の夏競馬では、単勝や3連単の1着固定といった「ルメール買い」は、避けたほうがいいかもしれない。
そしてもうひとつ言えるのが「最終レースで苦戦中」である。
「今年の最終レース(競走番号が第12競走)は〈4 6 0 16〉と、例年以上に苦戦しています。3着内率は38.5%で、単勝回収率は46%(複勝回収率63%)と配当的な妙味も皆無。このうち前走4着以下の馬では〈0 2 0 11〉とさらに不振です。『ルメールなら最後は何とかしてくれる』と考えるのではなく『ルメールじゃなくても普通に勝ちそう』という時だけ押さえるようにしましょう」(伊吹氏)
ちなみに、12Rよりも3着内率が低かったのが4R(33.3%)と10R(37.1%)。「お昼休みの直前」と「メインレースの直前」もそれぞれマイナス材料になるので覚えておきたい。
また、ルメールといえば、昨年のジャパンCで9冠を飾ったアーモンドアイなど、ノーザンファーム生産馬とのコンビがおなじみだ。今年もNHKマイルCのシュネルマイスターや前記したグランアレグリアでGⅠを制しているが、ノーザンファームとコンビを組んだ今年の重賞成績は〈4 4 3 17〉と、人気を裏切るケースが多発している。専門紙トラックマンが証言する。
「9年連続で生産者リーディングのトップに君臨するノーザンFは、今年もすでに278勝と他の牧場を圧倒している。そのノーザンF生産馬のグロンディオーズと挑んだ目黒記念は超スローペースで4着に惨敗。レース後の検量室では、ルメールが『こんなのGⅡのレースじゃない!』とブチ切れていた。めったなことではエキサイトすることがない温厚な人柄だけに、関係者は仰天していたよ」
今週の宝塚記念では、ノーザンFのクロノジェネシスとコンビを組むルメール。今年、良馬場以外の重賞は〈1 1 1 8〉だけに馬場状態は気になるところで、突如のゲリラ豪雨に「こんなのGⅠじゃない!」と、激怒しないことを祈るばかりだ。