白鵬本紀への招待状(3)「草原の生活で私の体と心ができた」

「週刊アサヒ芸能」で好評連載中の同時進行マンガ「白鵬本紀」。14年間の長きにわたり、綱を守り続ける白鵬関。自身の強さは、夏の大草原で培われたと語る。作画担当の山崎享祐氏との打ち合わせ秘話、第3弾。

白鵬 今の私を作り上げたのはモンゴルの大草原だと思っています。

山崎 横綱の原点ですね。

白鵬 ハイ。私の親父は17歳まで遊牧民でした。親父の妹は今でも遊牧民です。毎年夏休みになると1カ月、草原にホームステイしていました。ここで私の体と心ができたと思います。

山崎 大草原で馬に乗ったんですか。

白鵬 いやいや、馬は大好きでしたが、乗せてもらえませんでした。草原生活は一見優雅そうですが、朝から晩まで仕事をしていました。まず朝は、馬乳酒作りからスタート。日中は狼を警戒しながら放牧した羊たちの世話。燃料となる、乾燥した動物の糞を集めたり、川まで水を汲みに何往復もしたり、夜になると搾乳。ホント食事する時間もないんですよ(笑)。初めてお腹が空くことを知りました。

山崎 それは辛い(笑)。

白鵬 ルールとして食事は1日1食、肉ご飯のみ。あとはヨーグルトを飲んだりチーズをつまみ食いするくらいでしたね。9歳の時、一度怖い体験をしました。羊の放牧中、土砂降りの雨になって、雷がバリバリ鳴り響き、もう怖くなって羊を放置したまま、逃げ帰ってきちゃいました。

山崎 草原は避難する場所がないですからね。

白鵬 もう、むちゃくちゃ怒られましたけどね(笑)。

山崎 今号で、「白鵬本紀」も第3番ですが、本誌の読者にメッセージをお願いします。

白鵬 今後は私が尊敬する歴代の大横綱たちや、ライバルだった力士たちも登場するそうですから、お楽しみに。「白鵬本紀」を読んで、夢や勇気を持っていただけたらうれしいです。

山崎享祐(やまさき・きょうすけ)高知県室戸市出身。日本大学芸術学部在学中に漫画家デビュー。「千代の富士物語」「旭鷲山物語」など、相撲マンガを中心に活躍。

*白鵬関からのプレゼントあり! 詳しくは発売中の「週刊アサヒ芸能」5月27日号に。

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