開幕まで残り2か月半と迫りながら国内外から中止を求める声が後を絶たない東京五輪・パラリンピック。5月上旬現在、政府は開催するとの決定を崩すことはないが変異種を中心とした第4波の感染拡大が全国に波及しており、五輪どころではない状況だ。
とはいえ、実際に中止となった場合の経済損失は4兆円とも8兆円とも試算されている。すでに投じられた設備投資も莫大で、それが無駄になることも懸念されているが、そんな中、一部の国民から「アレってどうなるんだろう?」と話題になっているモノがある。選手村で無料配布予定のスキンだ。
16年のリオ五輪では女性用10万個を含む、史上最多の45万個を用意。各国の報道陣が集まるプレスセンターにも置かれていた。
今回用意されるのは16万個と前回のおよそ3分の1の数だが、それでも12年ロンドン五輪の15万個を上回り、08年北京五輪の8万個のおよそ倍と決して少なくない。
当初は国内メーカーの大手4社が約4万個ずつを納入することが関係者への取材で明らかになっていたが、仮に中止となれば選手村での無料配布も当然なくなる。
「中止となった際に16万個のゴム製品をどうするのか大会組織委員会もメーカー側も明かしておりません。事前に用意するのであれば、最悪の場合は廃棄処分という形になる可能性もあるでしょう」
そう指摘するのは、東京五輪についての取材を続けるジャーナリスト。ただし、納入するメーカーにとっては打つ手はあるという。
「市販品1個あたりの単価は、商品にもよりますが50~150円程度。ですが原価は1個3円と言われているため、1社あたりだと金額にしてわずか12万円。破損がないか全数検査をするため、その分の検査費用や人件費がかかりますが、たとえキャンセルになってもメディアが取り上げてくれれば宣伝効果でおつりが来るぐらいでは」(前出・ジャーナリスト)
それに中止でも別の機会に配ったり、パッケージを変えて市販することもできる。逆に、〝選手村で配布予定だった幻のスキン〟などと銘打って販売する可能性も考えられるという。
「メーカーとして処分は避けたいところでしょうし、何らかの形で世に出したいはず。もしネット販売すれば購入が殺到して、一瞬で完売になる気はしますけどね(笑)」(同)
開催中止になったとしても配布予定の避妊具の廃棄処分だけはやめてほしいものだ。
(T-Factory)