「地下アイドル・ビジネス」 元運営が明かしたオイシイ話

 すでにピークを過ぎた感は否めないが、単なるブームではなく市場として定着したとも言われている地下アイドル。東京や大阪、名古屋などの大都市圏だけでなく全都道府県に地元を拠点とするグループが多数存在し、「その数は女性地下アイドルだけで2000組以上」と話すのはアイドル雑誌の編集者だ。

 ちなみに運営はメジャーデビューしているアイドル同様、芸能プロダクションが手掛けることもあるが、一方で業界の人間ではない素人が行っているケースも珍しくない。しかも、彼らの中には金儲け目的に地下アイドルを運営している個人もいるという。

「雀の涙程度でもメンバーたちにギャラを支払えばマシなほうで、実際にはレッスン料などの名目でメンバーから毎月お金を徴収しているところもあります。それに定期的に行うライブは、ファンが30人集まれば黒字化させることは可能。実は、収益化させるのは意外と簡単なんです」(前出・編集者)

 小規模なライブハウスの収容人数は一般的に100人程度。現在はコロナ禍でほとんどの施設が定員の半分以下に制限されているが使用料金は値下げしているところが多く、平日の夕方~夜なら都内でも5万円以下で借りれる会場もあるそうだ。

「チケットは1枚2000~3000円。これにライブ後にアイドル本人がグッズを手売りする物販の客単価が1人3000円。CDやDVD、Tシャツ、タオル、クリアファイルなどが定番ですが、原価は20~30%。どのグループの物販でも一番の人気商品のアイドルとツーショットで撮影できるチェキ券なら原価10%以下。売れば売るほど儲かる仕組みです」

 そう明かすのは、都内の某地下アイドルグループの元運営スタッフ。ファンが30人程度しか集まらないライブでも必要経費を引いても4万円前後の利益を出していたとか。

「照明や音響はライブハウスのスタッフがやってくれますし、運営が自分1人なら丸儲けになります」(前出・元運営スタッフ)

 もちろん女性メンバーの育成には時間と手間がかかり、マネジメントやファンに向けての発信など日々の苦労はあるだろうが、アイドル好きなら趣味と実益を兼ねた副業として成立させることがきるかもしれない。

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