マッチングアプリを通じて知り合った異性から「仮想通貨の売買で資産を増やせる」などと持ちかけられて多額の資産を騙し取られる「投資詐欺」の被害が、20年度(6月〜12月)は前年の8倍に急増していることが明らかとなり、国民生活センターから注意喚起がなされる事態に発展している。
「同センターによれば、被害相談の多くが30代〜40代の男性で、マッチングアプリで知り合った外国人女性から結婚を前提に仮想通貨に投資して資産を増やすことを提案され、指定された海外の取引口座に入金をしたところ出金ができなくなるといったケースが増えているようです。なお、詐欺被害額の平均は約192万だったといいます」(社会部記者)
その闇手口はさまざまなバリエーションがあり、国民生活センターの報道発表資料には「デジタル宝くじ」「カーレース賭博」といったうさん臭い名目での投資話も被害例として掲載されていた。いずれも、ある程度の資産をつぎ込んだところでアプリ及びサイトから出金できなくなり、その時点で初めて詐欺だと気づかされるようだ。
こうした投資詐欺が増えている背景には、新型コロナウイルス感染拡大によるマッチングアプリ利用者の急増が挙げられる。MMD研究所が発表した「マッチングサービス・アプリの利用実態調査」によれば、20年のマッチングアプリ利用経験者が57.1%となり、前年よりも26.9%も増えているのである。
「コロナ禍の出会いのツールとして大人気のマッチングアプリですが、投資詐欺被害に遭わないためには、海外在住者など面識がなく、会えそうにない相手からの儲け話は信用しないこと。また、投資に興味を持つ30代〜40代がターゲットにされているので、この世代は他人のアドバイスを鵜呑みにして投資をしないことです。相手が女性ということもあって、ただでさえ判断が鈍りがちなだけに、自分は大丈夫と過信しないことも大切です」(犯罪ジャーナリスト)
心の寂しさを埋めようとして、せっかく貯めた資産に穴を開けないよう、くれぐれもご用心を。