一般市民に届くのは?変異株への効果は?コロナワクチンの基礎知識

 緊急事態宣言が延長される中、ようやく2月中旬からコロナのワクチン接種がスタートする。とはいえ、一般市民へ届くのはいつのことやら。その副作用や有効性などについても疑問点が浮かび上がるばかりだ。これを読んで、新型コロナウイルスを正しく恐れよう!!

 今や新型コロナワクチンの接種は国策だ。2月2日、菅義偉総理(72)は、カメラ目線で胸を張った。

「開始について、できる限り2月の下旬と申し上げてきましたが、今後は有効性、安全性を確認した上で、2月中旬に接種をスタートしたいと思います」

 元々、新型コロナワクチンは、昨年7月の時点で、6月までに「6600万人分確保」と打ち出したもののフタを開ければ、今年いっぱいまで接種の時期がずれ込むことが発覚。

「今や不支持率が5割となった菅内閣の支持率アップには、一日も早いワクチン接種が欠かせない。だが実際には、2月にスタートするのは医療従事者のみで、高齢者の接種開始時期は4月以降。一般の国民は6月がメドと言われています」(政治部記者)

 しかも日本は先進国G7中でも出足が遅く、約2カ月遅れての開始なのだ。果たしてこんな状況で、コロナを封じ込めることができるのだろうか。素朴な疑問を中心に、「知らないとヤバい」基礎知識を紹介しよう。

ワクチンはコロナ感染・発症の予防になる?

 日本が契約したコロナワクチンは以下の3社。

●アメリカの製薬会社「ファイザー社」

●同じく米バイオテクノロジー企業「モデルナ社」

●イギリスの製薬会社「アストラゼネカ社」

 実に3社合計で約3億1400万回分(1億5700万人分)と、日本の人口を上回る数のワクチンを確保している。だが、この3社のワクチンを接種すれば、ウイルス感染自体を予防できると思ったら大間違いなのだ。感染症研究者でアメリカ国立研究機関博士研究員・峰宗太郎氏が解説する。

「90%以上あると言われているのは感染予防効果ではなく発症予防効果です。モデルナ製とファイザー製は94%~95%の発症予防効果があります。もし発症した場合も重症化抑制・予防効果があるので、症状が重くならなくて済むと言えますね。臨床試験でも、重症になったのは大体、ワクチン接種をしていない人でした」

 つまり、重症化を防ぐ効果もあるのだ。ワクチン接種が進めば重症患者の抑制にもつながり、現在、危険水域にある医療崩壊の危機も回避できるのではないかと期待されている‥‥。

変異株ウイルスにもワクチンは有効か?

 新型コロナが不気味なのは、次々と変異を遂げることだ。現在、イギリス変異株、南アフリカ変異株、ブラジル変異株が世界各国で広がっており、2月4日には国内でも初めて南アフリカ変異株に感染した50代と10代の人が確認された。変異株ウイルスにもワクチンは有効なのか。NPO法人医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏に聞くと、

「イギリス変異株についてはある程度、効果があることが分かっています。ただ、南アフリカ変異株については効果が分からないのが現状で、ファイザー社やモデルナ社などがワクチンを改良して開発すると思います」

 まだ効くかどうかは不透明。ワクチン接種だけでは未知のウイルスの脅威を完全に拭うことはできそうもない雲行きだ。

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