バカリズムに続き山里亮太、劇団ひとりも…飛躍が期待される“裏方芸人”たち

 バカリズムは、お笑い芸人から一目置かれる芸人だ。分析力が鋭く、的を射ているため、ベテラン芸人さえ舌を巻く。世に出るきっかけとなったのは、フリップネタ「トツギーノ」で決勝戦に初進出した「R-1ぐらんぷり2006」。大喜利バラエティ特番「IPPONグランプリ」(フジテレビ系)では優勝記録を5回に伸ばして、あまたの芸人をうならせた。

 そんなバカリズムは裏方の仕事でも着実にキャリアを積み上げている。14年に竹野内豊・主演でドラマ「素敵な選TAXI」(フジテレビ系)の脚本をヒットさせると、作家としての才能を開花。昨年、オリジナル脚本を手がけて、井浦新とW主演もはたしたWOWOWオリジナルドラマ「殺意の道程」にいたるまで、書き手としてのオファーも絶えない。

 そんなバカリズムに負けじとばかり、多くの芸人が映像の世界に進出している。それもユーチューブなどではない。

「芸人の枠を逸脱しているのは、絵本作家ほか多くの肩書きがあるキングコングの西野亮廣。16年に発売し、すでに50万部を超えるベストセラーとなった絵本『えんとつ町のプペル』の劇場版が公開中です。意外なところでは、ダチョウ倶楽部の寺門ジモン。初めてメガホンを取った監督作品『フード・ラック!食運』(2020年公開)でEXILEのNAOTO、土屋太鳳という売れっ子を起用。注目を集めました」(芸能ライター)

 ドラマの世界で活躍を見せるのは南海キャンディーズの山里亮太。10月期クールで、初の短編小説「あのコの夢を見たんです。」がテレビ東京系でドラマ化された。毎回異なる女優、モデル、アイドルなどが主人公を務め、俳優の仲野太賀が山里役で主演。山里は脚本監修の立場だった。

「ビートたけしさんが作詞・作曲した『浅草キッド』と、同タイトルの自叙伝を原作にしたNetflix映画『浅草キッド』が21年の冬に世界同時配信されますが、監督・脚本は劇団ひとり。ひとりの前作『青天の霹靂』に出演した大泉洋が“幻の浅草芸人”深見千三郎を、たけしさんを柳楽優弥さんが演じます」(前出・芸能ライター)

 たけし×ひとりのコラボ作品が世界規模で注視される可能性が十二分にある。コロナ自粛でYouTuberデビューする芸人がグンと増えたが、バカリズムたちは一枚も二枚も上。21年は表舞台だけでなく、“裏方芸人”のデッドヒートが繰り広げられるかもしれない。

(北村ともこ)

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