「頭を真っ白けに」上沼恵美子が明かした「M−1」決勝秘話と引退説の真実味

「マヂカル(ラブリー)にしてやったらええやんか、という人もいるんですけど、それは頭を真っ白けにして、本当に素直に私がいちばん面白いなと思う人に投票しました」

 1月4日放送のラジオ番組「上沼恵美子のこころ晴天」(ABCラジオ)で、昨年12月20日に行われた漫才日本一決定戦「M−1グランプリ2020」の決勝を振り返ったのは関西お笑い界の”女帝”と言われる上沼恵美子(65)。3組による最終決戦では優勝コンビのマヂカルラブリーではなく、おいでやすこがに投票した上沼だが、同大会では「最後の審査だと思っています。本当にファイナルです」と発言したことでにわかに注目を集めていた。

「上沼が『M−1』終了後に“審査員引退”をほのめかすのは、半ば恒例のことなんですが、とはいえ、例年、本番直前まで、上沼をはじめ審査員が決まらないことで知られてるこの番組が、昨年に限ってはすんなりと決まった。その背景には上沼が“ファイナル”を条件に早い段階でOKを出したからだと言われています。しかも、いつも厳しい採点が昨年は甘かったし、怒られた芸人もいませんでしたからね。そんなこともあり、関係者の間で、『ホンマに辞めるんちゃうか』という声が広がったんです」(スポーツ紙芸能デスク)

 さらに、司会を務める読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」(12月27日放送)では、25年にわたって関西テレビで放送されていた「快傑えみちゃんねる」が、7月に突然終了したことに触れ、「やっぱりショックでしたね。やり切ったんで、ぜんぜんいいんですけども、やっぱり寂しいものはありますね」と振り返り、「まあまあそんなことでしょーもない年でした。ある意味ね。そやけどコロナのおかげで人を知った、というのもありますね。人が見えた」「何が大事で、何が不必要かというのも見えた…そんなような年だったですね」と意味深な発言を繰り返した。

「番組改編期でもない7月に視聴率の安定した長寿番組が突然終了することなど普通ならありえない話。『快傑えみちゃんねる』終了については、制作サイドとの確執などが報じられましたが、いざという時にはそういったしがらみも『不必要』とばかりに切り捨てられるのも上沼さんの強み。1971年に姉妹漫才コンビ『海原千里・万里』の千里でデビューしてから半世紀、それこそ話芸1本で“関西の女帝”にまで上り詰めたという自負もあるでしょう。ただ、ここ数年は視聴者の反応が変わり《以前は毒舌だったけど近頃はただの悪口になってきた》《共演者が上沼を持ち上げる番組ばっかりで見る気がしない》という声も多くなったのも事実。特にコロナ禍での無観客の収録では、客の反応や声援が伝わってこないこともあって、テレビの仕事に見切りをつけ始めたとしても不思議ではありませんね」(前出・芸能デスク)

 上沼は昨年、「上沼恵美子のこころ晴天」(ABCラジオ)のなかで、コロナ対策として、テレビやラジオで行われているリモート出演について「見にくい、声が遅れたり」と言及し、仮にリモート収録しかできない状況となった場合は「私は引退する、絶対!」と語っていた。そんな矢先に起こったのが、「快傑えみちゃんねる」のキングコング梶原雄太の電撃降板と突然の番組打ち切りだった。

「上沼は一度自分でこうと決めたら、周りが止めても行動に移すことで知られています。本人もそれを己の美学だと思っていて、地位や仕事にしがみつくタイプではありません。それも引退説に信憑性を持たせる要因のひとつになっているようです」(前出・芸能デスク)

 緊急事態宣言の再発令で、情報番組やトーク番組でまたもやリモート出演が増えそうな状況のなか、“女帝”の機嫌を損ねるような出来事が起きないことを祈りたい。

(灯倫太郎)

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