新型コロナがアイドル業界にこれほどの影響を与えるとは……。3人組アイドルグループ「sora tob sakana」(通称オサカナ)が9月6日に開催するラストワンマンライブのチケット料金が、最低でも1万5800円という驚きの価格設定になっているという。
2018年にはメジャーデビューも果たしていた人気グループのオサカナ。東京・日本青年館ホールで開催される解散ライブの詳細が7月28日に発表されると、最前列のSS席が6万8000円、前方エリアのS席が3万6800円、そしてA席が1万5800円と海外オペラ公演並みの価格が注目を集めることとなった。SS席とS席には特典としてTシャツとタオルがつくとはいえ、アイドルのライブでは考えられない金額だ。それでもファンからは批判の声はほとんど聞こえてこないというのである。
「事情を知らない一部のネット民からは《解散商法》との皮肉も寄せられていますが、完全なるお門違いですね。今回の解散ライブは新型コロナ対策のルールに従い、座席の間隔を空けて開催されます。オサカナの人気なら2000名規模の会場でも余裕で完売できたはずですが、今回はせいぜい600席程度の券売に留まりそうです。その一方でバックバンドを入れるなどライブの演出や構成には妥協せず、運営コストは相当な金額にのぼるのは確実。その収支を合わせるため、運営側では苦渋の決断として今回のチケット価格設定に踏み切ったようです」(アイドル誌ライター)
運営サイトではツイッターにて「チケット価格設定について、大変驚かれ当惑されたことと存じます」と、断腸の思いを吐露。集客が半分以下になる一方で、感染対策費用を含む運営コストは「今まで以上の出費が必要となります」との状況を説明している。
「解散ライブとなると延期も難しいですし、最高の舞台でメンバーを送り出してあげたいファンも今回の価格設定には納得しています。ただし最低1万5800円という価格はあくまで“人気グループの解散ライブ”という特殊な事情ゆえに可能なもの。アイドル業界では《人気のオサカナでさえこの価格にしないと収支が合わないのか》と、遠い目になっている人たちも少なくありません」(前出・アイドル誌ライター)
オサカナのラストライブがよもやの中止にならないことを祈りたいものだ。
(北野大知)