新4番・佐野のバットに委ねた!? DeNA外国人選手の「出場枠問題」

 優勝候補にも挙げられた横浜DeNAベイスターズが、特別ルールに悩んでいる。連戦を乗り切るため、外国人選手の一軍登録が5人に拡大された。このルール変更は「DeNAを有利にさせる」と見られていた。ロペス、ソト、新加入のオースティンの3野手に加えて、パットン、エスコバー、そして、先発要員のピープルズの3投手がいる。6人とも主力レベルの実力を持っているからだが、早くも綻びが見えてきた。

「6月20日の第2戦、先発のピープルズが好投しましたが、逆転負けを喫しました。パットンをベンチから外した救援陣が踏ん張りきれませんでした」(スポーツ紙記者)

 一軍登録できる外国人選手は5人に拡大されたが、試合出場は4人のまま。ピープルズを先発させるため、リリーフのパットンをベンチから外してしまった。ピープルズの後を任された石田、三嶋が踏ん張りきれなかった。

「エスコバーが故障で出遅れています。近く合流する予定ですが、合流するピープルズが投げる試合、つまり、エスコバーとパットンが出場登録できない日はDeNAのリリーフ陣のレベルが落ちることが判明しました」(前出・スポーツ紙記者)

 エスコバーは昨季74試合に登板したタフネス左腕だ。ラミレス監督はクローザー・山崎康晃につなぐ貴重なセットアッパーと見ており、打撃好調のロペス、ソト、オースティンの3野手をこのまま使っていくとなれば、パットンとエスコバーのどちらかを試合出場メンバーから外さなければならない。いや、その前に一軍登録できる外国人選手は5人なので、エスコバーが復帰してきたら、ロペス、ソト、オースティン、パットン、ピープルズのうち、誰か一人を二軍に降格させなければならない。

 開幕カードの広島戦を見る限り、ラミレス監督は「パットン、エスコバーの両リリーバーをベンチに入れておきたい」と判断するだろう。さらにまた、こんな声も聞かれた。

「新4番の佐野恵太がどれだけの数字を残せるか。4番のキャリアが浅く、未知数なので、ロペス、ソト、オースティンの3人は外せません」(球界関係者)

 エスコバーの合流後、ピープルズを外すことになりそうだ。第2戦、勝ち星はつかなかったが、6回被安打6、失点1という彼のピッチングは他球団も警戒していた。先発ローテーションで固定すれば、確実に2ケタ勝利は見込めるという。

 こうしたDeNAの外国人選手の評価を聞くと、新4番・佐野のバットが爆発するまで、ラミレス監督はどの選手を外すのか、その結論を先送りするものと思われる。勝敗は主砲次第とはよく言うが、佐野は外国人選手の一軍登録枠の問題まで抱えることになってしまった。

(スポーツライター・飯山満)

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