「久しぶりに地上波で流れた宮迫さんの歌声は耳に残りますね。君の靴がロコンド、僕の靴もロコンド〜♪ というフレーズで、しっかりと企業名をアピールすることにも成功したように思えます」と、エンタメ誌の編集者が語るのは、去る5月4日、テレビ東京系バラエティー番組「YOUは何しに日本へ?歌手になりたいYOUがデビューかけ上京SP」のオンエア中に流れたCMのこと。さらに宮迫博之の「地上波復帰」を各メディアが取り上げたことで、「ロコンド」の名はさらに知れ渡ることとなった。
「ロコンドは、おもに靴に特化し、『自宅で試着、気軽に返品』を謡うアパレル通販サイト。CMには人気ユーチューバーのヒカルも出演していましたが、何も知らずに宮迫を目撃した視聴者は驚いたのではないでしょうか。昨年6月に発覚した闇営業問題で謹慎に追い込まれ、他の“謹慎芸人”が次々と復帰するなか、吉本興業に相談もなくユーチューブに進出した宮迫だけが上層部の怒りを買って、テレビに出られない状況が続いていました。コンプライアンスを重視する各テレビ局は、触らぬ神に祟りなしとばかりに、宮迫には関わらないようにしていましたからね」(前出・エンタメ誌編集者)
そんな中、今回のCM出演は宮迫のユーチューバー仲間であるヒカルが、「ロコンド」の社長に頼み込む形で実現したという。
「CMの評判は上々で、普段は6〜7%だった『YOUは何しに日本へ?』の平均視聴率は5月4日の放送回で8%を記録。さらにCMの初放送に合わせて、宮迫が自身のユーチューブチャンネルで生配信するや、約14万人が同時視聴。その時間帯に生配信されたなかでは“世界一”となったほどです」(ネットライター)
それだけ世間は宮迫の復帰を待ち望んでいたということか。ところが、ところが……。「ロコンド」の社長はその後、自身のユーチューブチャンネルで、怒りをあらわにしたのだ。
「宮迫に対して怒っているわけではありません。宮迫の出演するCMをテレビ東京以外の民放各局にも放送を依頼したものの、すべて拒否されたことに怒り心頭の様子。社長は『なんの忖度なのか、なんの圧力なのか、それはわかりません』とコメントしていました」(前出・ネットライター)
要はテレビ東京以外の民放各局はいまだに「宮迫を使わない」指針を立てているように思えてならないというのだ。
「まあ、テレビ局は吉本との関係を考慮しているのでしょう。宮迫のCMを流せば、吉本サイドから『うちの芸人は出さない』と言われかねませんからね。逆に今回、改めて証明されたのは、テレビ東京だけがそんな忖度や圧力に屈していないという点。テレビ東京は過去には2001年の同時多発テロ発生時、他の民放が報道一色のなか、温泉番組を放送するなど、いつも“平常運転”でブレない姿勢で知られていますから」(芸能関係者)
5月16日には妻への暴行容疑でタレントのボビー・オロゴンが逮捕された。当日の夜にオンエアされた「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」には、《この放送は2020年4月26日に収録したものです》とのテロップが流れたものの、そこにはいつもと変わらぬボビーの姿があった。
「ちなみにその翌日の5月17日には、コロナ感染が疑われながらもゴルフをして猛批判を浴びた石田純一のゴルフ番組も放送していました。素晴らしいテレビ局だと思いますよ、本当に」(前出・ネットライター)
今後もテレビ東京には平常心で挑んでもらいたいものだ。
(降矢公平)