NPB絶望の「全試合中止」で戦力外ラッシュ!松坂・鳥谷らベテラン勢は…

 4月12日、お隣の台湾ではプロ野球が、「無観客試合」ながら“世界最速”のシーズン開幕を迎えた。韓国のプロ野球も中断されていた対外試合を今月中に再開すると見られ、5月上旬にも同じく「無観客試合」で開幕する見通しだという。

 一方の日本プロ野球界は当初「4.24」という目標を掲げていたものの、複数の選手の感染が確認されたこともあって、さらなる開幕延期どころか今シーズンの「全試合中止」という最悪の事態がにわかに現実味を帯びてきた。

 今季完全中止となってもオフにはドラフト会議が待っている。となれば、オフの風物詩たる戦力外通告で「枠」を空けなければならない。試合もなければ、成績もないのに、誰をどうやってクビにするのか。これまたやっかいな大問題だが、

「Jリーグ、コンサドーレ札幌の選手が年俸合わせて1億円余りを返上する話が出ているけど、プロ野球では高額年俸の大物選手を1人切るだけで数億円が浮く。危ないのは大型契約が今年で切れるベテラン勢です。例えば、阪神・糸井嘉男は期待どおりの活躍もなく、4年契約の最終年にあたる。球団にとっては手っ取り早く4億円(推定、以下同)の年俸を浮かせられる」(在阪マスコミ関係者)

 似たような「境遇」では、巨人・野上亮磨(1億5000万円)や中日・大野奨太(1億円)なども俎上に載る恐れが。

「ただし‥‥」

 と言って、大ベテランの意外な事情を、スポーツライターが説明する。古巣での復活が期待される西武・松坂大輔と、ロッテに移籍した鳥谷敬のことだ。

「このクラスの大物はさすがに今季の実働がなくても、クビにはなりません。来季以降もグッズの売り上げが見込めるし、松坂の年俸が3000万円、鳥谷は1600万円と安いから、切る必要がないんです。特にロッテは、18年に2000安打を達成してそのまま引退してもよかった福浦和也(現2軍ヘッド兼打撃コーチ)を引退興行のために1年間、選手寿命を延命させた前例がある。コスパのいい人気選手は安泰ですよ」

 逆に若くても首筋が寒いオフを迎えそうなのが、高卒5年目、大卒3年目くらいで、印象に残る活躍をしていない選手だという。

「判定材料が昨シーズンまでの成績になってしまいますが、この先もなかなか芽が出ないと判断されればそこまで。クビを免れても、育成選手としてのリスタートを余儀なくされる選手が増えるでしょう」(スポーツ紙デスク)

 期待値の割にパッとしない楽天のオコエ瑠偉外野手や、昨年1軍登板がわずか2試合だった阪神・馬場皐輔投手のような、かつてのドラフト1位選手などは、もしかすると……の不安をなかなか払拭できないのではないか。

 ヤバイのはなにも選手ばかりではない。球団が赤字経営に陥れば、親会社の潤沢な資金力でカバーするのが常道だったが、横浜DeNAベイスターズはちょっと事情が違うのだ。

「コロナの影響以前に、親会社のDeNAはゲーム事業の不振が続いて、19年度の4月から12月期の営業損益が441億円。一方、ベイスターズやプロバスケットボールチームの川崎ブレイブサンダースを含むスポーツ事業では37億円の営業利益を出し、親会社の損失補填に寄与していた」(球団関係者)

 まさに逆転現象。今季のチケット収入ナシなら、来季の年俸にも大きな影響は避けられない。

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