コロナ倍増で問われる大阪の危機感、円広志の街ロケに「お前は人間魚雷か!」

 4月9日、大阪府は1日で最多となる92人の「コロナ感染」を発表した。その前日は43人だったことから、わずか1日で倍増したことになる。この緊急時においても、大阪府民は相変わらず、のんきな一面をのぞかせていた。

「ここにね、コロナ持ち込んでくる奴なんておらんわ」

 西成の飲食店では相変わらず昼から労働者風の男たちが酒をくみかわし、「自分たちは大丈夫」とタカをくくっているようだった。

 すでにメディアで報じられているが、大阪ではほとんどのパチンコ店が休業したことで、いまだに営業を続ける一部のパチンコ店では朝から行列ができていた。並んでいる客のなかでマスクを着用しているのは半数にも満たない。

 西成区にある天下茶屋駅周辺もこのコロナ禍で騒々しくなった。自宅待機と外出自粛を求められている若い学生たちが、夜になると周辺にあるマンションの大型駐車場に集結。

「人がおらん、夜やったらええんやろ!」と、勝手にスケボーのジャンプ台を作るわ、スナック菓子の袋やジュースの空き缶をまき散らすわの“大迷惑行為”におよんでいた。さらに成り行きを見守っていると、iPhoneから大音量で音楽を流して踊り狂う者、ロケット花火を打ち上げる者まで現れた。

 ついにマンション住民も堪忍袋の緒が切れたのか、

「ここは、動物園か!動物園やったら、天王寺動物園のオリの中にいかんかい!」

 と激しい怒声が駐車場に響きわたるのだった。

 こうした“無法状態”を生み出した理由のひとつに挙げられるのが、大阪のテレビ事情だ。東京ではすでにドラマの「放送延期」などが発表されているようだが、こちらでは相変わらず呑気な「街ロケ企画」がオンエアされている。

 大阪のテレビ関係者が言う。

「とくにやり玉にあげられているのが、朝の情報番組『よ〜いドン!』(関西テレビ)です。現在の世間の感覚とズレすぎていると、業界で噂になっているんです。タレントさんが、街で出会った人々と会話をしながら功績を讃えていく『隣の人間国宝さん』は番組の人気コーナー。当然、コロナの影響と照らし合わせて、“街ブラ”を中止するか、コーナー自体を取りやめる判断をするかと思いきや、企画内容を一切変えずに放送しています。過去に撮った映像かもしれませんが、つい2、3日前も円広志さんの衝撃的な街ロケVTRが流れました。映像に映る一般の方たちはきちんとマスクをしているのに、円さんはマスクなしで商店街の雑踏の中をグングンと突き進み、街行く老若男女を呼び止めては“至近距離”で話しこんでいたんです。その姿はまるで人間魚雷。万が一にも円さんが感染していたら…と思うと背筋がヒンヤリしますよ」

 4月9日時点で東京の1日の最多感染者数は181人。大阪の感染者数が東京を超えるのは時間の問題かもしれない。

(ラリー近田)

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