新現代病「五十肘」が不眠症を引き起こす(2)スマホ操作の体勢に危険が…

 佐伯さんの場合は前兆がなく急に痛みだしたというが、五十肘の兆候となる症状はあるのか。於曽能医師が続ける。

「肘を痛めてしまうと手や腕を動かしにくくなり、動かそうとするたびに痛みが出ます。この痛みというのは、体からの警告であり、そのまま無理に肘を使っていると、どんどん悪化してしまいます。頭を洗う、トイレットペーパーをとるような動きがつらくなり、手を伸ばす、ものを持つといった簡単な動きさえできなくなることも。よほどひどい場合は、手術に至ることもあります」

 これまで私たちは、日常生活であまり「伸筋」を意識せずに過ごしてきた。ところが、ここにきて五十肘が注目されているのにはワケがある。パソコンやスマートフォンの登場により、伸筋を酷使する生活が一般化しているというのである。これこそ五十肘が「新現代病」と言われるゆえんである。

 伸筋の炎症を引き起こす代表的な動きは、手のひらを下に向けたままものをつかむ、外側に手首をひねるなどが挙げられる。中でも注意したいのがスマホの操作だという。

「特に、寝ながらスマホをいじるのは危険です。スマホをつかむように持ち、親指を使ってフリックやスワイプをする動きは伸筋を酷使します。夢中になってその体勢のまま何時間も過ぎてしまうこともあるでしょう」(於曽能医師)

 他にも伸筋を酷使する動きを列挙すると、

●ゴルフクラブや包丁など、握る動作を繰り返す

●手のひらを外側に向けてキャリーバッグを持つ

●ピッキング作業

 などのほか、中高年にとって不得手なパソコン作業にも注意点がある。於曽能医師が言う。

「パソコンに慣れない方はワキを広げて作業してしまうため、肘に負担がかかります。力を入れて叩くようにキーボードを打つ、キーボードを打った指を上に上げるような動きもよくありません。パソコン作業をする時には、パソコンを目線の高さに合わせる。そしてワキを閉めて肘を曲げ、キーボードを打つときには指の重さを利用し、無理に力を入れないことです。難しいかもしれませんが、スマートフォンもなるべく目線の高さに合った場所に置いて使うのが好ましいです」

 デスクワークは長時間座りっぱなしの場合も多く、思わぬ肘の酷使につながる場合もある。それだけに、アナタの日頃の作業を意識することも必要だろう。

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