幼児向けでもあるにもかかわらず、むしろ「大人がハマる!」とバズってるのが、小学館発行の月刊誌「幼稚園」の本格付録だ。
4月1日発売の5月号は、高さ30センチの本物そっくりな「公衆電話」の工作キットだ。そう、今でも探せばどこかにある緑色をしたアレだ。なにしろ、NTT東日本と西日本が監修に加わったというのだから、パーツによっては素材も本物と同様というこだわりぶりなのだ。
もともと子どもというのは大人がやっていることを真似したがるもの。だから同誌の付録はリアル社会を子どもがシミュレートするものが多い。2019年9月号は「セブン銀行ATM」と超現実的。この辺りから当該企業とコラボした付録が増え、「本物そっくり!」と、じわじわと話題になっていた。
今年の1月号は吉野家とコラボした「ぎゅうどんづくりゲーム」で、2月号はセガサミーとの「メダル落としゲーム」、4月号はバンダイナムコとの「ワニワニパニック」といったラインナップが続いた。
『幼稚園』は1932年創刊という超老舗月刊誌。それだけに、誰しも一度は表紙を目にしたことがあるだろう。「自分も読んでいた。懐かしい」という人もいるはずだ。悪く言えば古めかしい雑誌なのだが、本格付録路線をとってからは、売り切れ続出で買いたくても買えない号が出たという。
SNSでも、「家事そっちのけで遊んでます」という母親の声や「40歳のおじさんの僕でも毎日遊んでます」と、子どもそっちのけで大人が興奮している様子がつぶやかれている。
(猫間滋)