「餃子の王将」他中華チェーンが苦戦する一方で好調を維持できるワケとは?

「幸楽苑」や「日高屋」など中華料理チェーンの苦戦が続く中、「餃子の王将」が好調を維持している。

「1月30日に王将フードサービスが発表した決算短信によれば、2020年3月期(19年4月1日~20年3月31日)の連結業績予想は過去最高を記録した19年3月期の売上を上回ると見込まれており、3年連続での過去最高を記録するのは確実と見られています」(飲食業界関係者)

 しかし、「餃子の王将」は17年3月期まで6年連続で売上高がマイナスになるなど、深刻な客離れに悩まされてきた。いったい、復活を遂げた理由とは何だったのだろうか。

 王将復活の理由のひとつは、17年~18年に開設した「王将調理道場」と「王将大学」にある。調理道場では調理技術を向上させ、大学では店舗のマネジメント力を向上させる研修を実施するなど、スタッフのレベルアップに努めてきた。また、王将はかつて店舗で包んでいた餃子を工場で一括で作ることによって、どの店舗でもブレない料理と接客を高いレベルで実現することが可能になっているのだ。

「加えて、『にんにくゼロ 生姜餃子』を開発したり、女性向け店舗『GYOZA OHSHO』を出店したりと、それまで女性が入りにくかったイメージを変える取り組みにも注力しています。さらに餃子や麺などの主要食材を国産化したことで、最近ではファミリー層も多く店舗に訪れるようになったんです」(経済ジャーナリスト)

 基本は、どこかがやりがちな新規出店増でのテコ入れより、顧客の満足度を高めることが重要なのかもしれない。

(小林洋三)

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