大手回転寿司チェーンの「くら寿司」は1月21日、都内でグローバル戦略説明会を開き、店舗倍増計画と中国への初出店を発表したのだが、一部では心配する声も広がっている。
「くら寿司は、2030年中に現在の495店舗から1000店舗へ、売上高も現在の1300億円から3000億円へと倍増させる計画だといいます。また、アメリカ、台湾に次ぐ海外展開として年内中に中国進出することも明らかにしました」(飲食業界関係者)
田中邦彦社長は「くら寿司をマクドナルドのような世界的な外食チェーンにしたい」と意気込みを語るなど大勝負に出た印象だが、ネット上では《無謀すぎる!まずは既存店の客離れを食い止めるべきでは?》《店舗を増やすよりもネタのクオリティーを上げてほしい。このままではかっぱ寿司の二の舞になる》《バイトテロがあったばかりなのに店舗急拡大させて大丈夫か?店員の教育が追いつかなくて同じことが起こるかもよ》《「いきなり!ステーキ」や「幸楽苑」の例を見ても、店舗を増やしすぎるのは危険だと思うが》など厳しい意見が相次いでいる。
「くら寿司の2019年10月期の決算は、営業利益が前期比20.4%減の54億円、純利益も同26.6%減の37億円と非常に厳しい結果となりました。また、客数は期中のすべての月で前年割れとなるなど客離れが進行しており、好調な回転ずし業界にあって、くら寿司だけが一人負けと言われるほど不振にあえでいるのです。その一番の原因は、やはり昨年2月にアルバイトによる不適切動画が投稿された、いわゆるバイトテロによるところが大きいでしょう。ネットの声にもあるように、今は店舗を拡大させるよりも既存店をブラッシュアップして客足を取り戻すのが先決とも思えますが…」(経営コンサルタント)
急拡大からのいきなり大量閉店と、どこかのようにならないことを願おう。
(小林洋三)