経済産業省が、各自動車メーカーがこぞって開発を進めている「超小型電気自動車(EV)」に購入時の補助金を検討していることが明らかになった。軽自動車よりワンサイズ小さい1〜2人乗りで、小回りがきき運転しやすい超小型EVの普及に、期待の声が上がっている。
「先日まで東京ビッグサイトでおこなわれていた『東京モーターショー』でも多くの超小型EVが出展されており、トヨタが2020年冬に発売を予定しているモデルには、すでに100を超える企業や自治体が導入を検討しているといいます。補助金の給付が決定すれば、さらに多くの参入が期待できるでしょう」(モーター誌記者)
2010年から国土交通省では超小型EVの実証実験を開始しているが、なかなか開発や普及が進まない状態にある。というのも、超小型EVへの法整備が遅れているからだ。13年には同省が「超小型モビリティ認定制度」を定めたことで開発しやすくなったものの、普及のためにはさらにハードルを下げるべきだと現在も議論されている最中なのである。しかし、こうした制度も補助金が給付されるとあれば、緩和に向けて前進する可能性が高い。
「超小型EVには、“カーシェアリング”や“営業カー”“小口の配送”の他にも、ガソリンスタンドの少ない地方の過疎地での利用、最高速度が60キロ程度であることから問題となっている暴走高齢者へも利用が期待されます。国土交通省は09年にエコカー減税を導入し、当初は3年の予定でスタートしましたが、その後、何度も延長を繰り返して今年9月の終了まで約10年間も続き、エコカーの普及に大きな役割を果たしました。新たな超小型EVへの補助金は最大で10万円程度となる可能性もあるので、爆発的に普及する可能性も十分にあると思われます」(経済ジャーナリスト)
来年末頃には、街なかで超小型EVの姿を見る機会が増えるかもしれない。
(小林洋三)