お坊さんをLINEで呼べる!普及が加速しそうなポイントとは

 11月5日、インターネット僧侶派遣サービス「お坊さん便」を運営する「よりそう」は、LINEアカウントを通して僧侶を派遣する新サービス「お坊さんスマート手配システム」の運用を開始したと発表。ネット上では興味を示す声が広がっている。
 
「新サービスは、ウェブサイトまたは電話で受けた利用者からの依頼に、希望日時や場所、宗派などをもとに僧侶のリストをシステムが自動生成し、僧侶側にLINEで配信。マッチングに成功すれば利用者と僧侶の双方に連絡が行われ、続いて僧侶から利用者へ挨拶の電話をおこない、法要当日を迎えるという流れになっています。僧侶にはLINE経由でスマートフォンに依頼通知が届くため、これまで最大2時間ほど掛かっていたマッチングが最短1分で完了するそうです」(社会部記者)

「お坊さん便」は15年からネット通販のアマゾンを通じてもサービスが提供されており、18年度は14年度と比べ約13倍、問い合わせ数が増えていたという。

 しかし、ECサイトに掲載できる情報量が限られていたため現場でのトラブルも少なくなかったこと、また、宗教行為をECサイトで販売することに公益財団法人「全日本仏教会」がホームページ上で抗議文を掲載するなど軋轢も生んでいたことなどから、今年10月24日にアマゾンが撤退を発表していた。
 
「情報量の制限により双方の十分な確認が取れないという問題は、『お坊さんスマート手配システム』ではクリアできていますし、『全日本仏教会』との軋轢も『おきもち後払い』を導入したことで、和解に向かっているといいます。『お坊さん便』は墓回向や法要での読経は初回3万5000円などお布施の料金が明示されていますが、利用者から『費用とは別にお布施がしたい』という声があったことから、法要後におきもち代を入力フォームに申請して、僧侶に直接ではなく銀行やコンビニから後払いできるシステムを導入したといいます」(ITジャーナリスト)

「お坊さんスマート手配システム」や「おきもち後払い」は双方にとって後腐れがなく、ネット上でも《仏様を供養する気持ちがあれば問題はない》《これからは家族葬や直葬が増えるだろうから、いくら掛かるのかがハッキリしているのは助かるし、僧侶が良ければあとでお気持ち代を払えばいいのも便利》と支持する意見が多く見られる。

 これからは、”お坊さんをスマホで手配”が当たり前の時代がやって来るのかもしれない。

(小林洋三)

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