27年大河ドラマ「逆族の幕臣」決定で早くも再注目される「徳川埋蔵金伝説」

 3月3日、俳優の松坂桃李が主演することが発表された27年放送のNHK大河ドラマ「逆賊の幕臣」。彼が演じるのは、幕末の江戸幕府を支えた重臣のひとり、小栗上野介忠順。当時の幕府内におけるライバルだった勝海舟ほどの知名度はないが、「徳川埋蔵金伝説」のカギを握る人物といえば、ピンと来る人もいるのではないだろうか。

 今回の制作発表を受けてSNS上には、埋蔵金伝説と絡めた投稿が殺到。放送は2年後にもかかわらず、早くも注目を集めている。

 ちなみに埋蔵金伝説とは、1867年に江戸幕府が政権を朝廷に返上(大政奉還)するにあたり、その前に莫大な御用金(※幕府が財政難を補うために農民や町民から徴収した金銀)を再興のための資金を密かに運び出し、どこかに隠したというもの。

 松坂が演じる小栗上野介忠順は、幕府最後の勘定奉行。埋蔵金の在処を知る人物と伝えられている。なお、その額は一説によると約400万両で、現在の価値に換算すると20兆円に及ぶ。

 90年代、TBSは人気コピーライターの糸井重里氏を隊長とした発掘プロジェクトを展開。発掘作業の様子は特番として定期的に放送され、高視聴率を叩き出したが、結局埋蔵金は見つかっていない。

 当時、番組内で大規模な発掘作業が行われたのが群馬県の赤城山。その麓に小栗の知行地があったこと、真偽は不明だが「赤城山に運び込むのを見た」などの証言などもあり、有力な埋蔵場所として考えられているようだ。

 なお、ネット上で話題になっているのは、大河ドラマの中での埋蔵金エピソードの扱い方。事実と裏付けるような情報に乏しく、「そもそも埋蔵金なんて実在しない」と主張する専門家も多いからだ。

「逆賊の幕臣は、NHKの朝ドラ『おかえりモネ』などを手掛けた安達奈緒子さんによるオリジナル脚本作品。原作がないので放送当日までストーリーは予測が難しい。NHK側もその辺を上手く利用してプロモーションしていくのでは」(テレビ情報誌編集者)

 劇中で埋蔵金をどう扱うのか今から放送が楽しみだ。

※写真は小栗上野介忠順像(横須賀市)

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