中央アジアのカザフスタンで旅客機が墜落した事故で、航空機追跡アプリが「フゴイド運動」を表示していたとして、話題になっている。
墜落したアゼルバイジャン航空のエンブラエル190型機8243便は12月25日、カザフスタン・アクタウ市近郊3kmの地点に墜落。乗員乗客のうち38人が死亡し、29人が病院で治療を受けている。
実は墜落直前、航空機追跡サイト「フライトレーダー24」を使用していた複数のユーザーが、フラフラと彷徨うように飛行する8243便を発見。高度グラフを見ると820フィートから4000フィートの間を上下するように飛行しており、SNS上では「様子がおかしい」「フゴイド運動している」と指摘する声が相次いで寄せられていた。
フゴイド運動とは航空機が安定を失って縦揺れ運動を起こし、飛行速度と高度が激しく変化する状態のことをいう。8243便の動きはまさにこれに該当していた。また、8243便からは緊急事態が発生した際に使われるコード「スコーク7700」が発信されており、絶望的な状況の中、なんとか飛行機を着陸させようとしたパイロットの必死の戦いぶりにも注目が集まっている。
「フライトレーダー24」の有料版では、スコークコード7700を設定すると、緊急事態を宣言した機体が現れたことをプッシュ通知する機能がある。どうやら今回はその機能を利用していた航空マニアが、アゼルバイジャン機の異常な動きをいち早く察知したということのようだ。
(ケン高田)