11月24日、大阪市浪速区の一角が物々しい空気に包まれていた。政治団体・松籟維新聯合が主催する弁論大会「関西維新講座」に右翼の大物達が集まった。新井聖動、河原博史、木村高徳、木村髙幸、草壁悟、田代厚、細田政一、丸川仁、山田忠史(※敬称略)と、いずれも東西の老舗団体や規模の大きな団体の最高幹部である。
「全国からこれだけの大物右翼が集まるのは異例中の異例。在大阪中国領事館への激しい抗議行動で、全国紙で報じられた団体の幹部も参加しました。また、指定暴力団の抗争状態を受けて、大阪市は警戒区域に指定されています。ヤクザと右翼の関係を探る警察当局としては、けっして看過できない。来年には大阪万博を控えていることもあって、会場周辺では大勢の私服警官が目を光らせていました」(関係者)
会場には150名が集まり、立ち見が出るほど盛況だった。現在の日本政治の在り方に、不安を募らせる右翼は少なくない。11月11日には第2次石破内閣が発足し、その後、石破茂総理は南米を訪問。首脳会議では椅子に座ったまま各国首脳と握手し、その一方で、日中首脳会談では習近平国家主席が差し出した片手を両手で握り返した。こうした振る舞いが「国辱外交だ」と批判を集めていたが、今回の右翼の会合でも、自民党政権への不満が爆発。登壇者からはこんな言葉が聞かれた。
「日本の政治をしっちゃかめっちゃかにした自民党が許せない」
「右翼は暴力を否定してはいけない」
政治をどう変えていくべきか。右翼団体はどうあるべきか。そしてどのように連帯していくべきか。今後の課題について意見交換が行われ、最後に日本皇民党大島竜珉党主がマイクを握り大会を締めくくった。日本皇民党は「ほめ殺し」で名を馳せた右翼界の有名団体である。
「これだけ東西の顔役達が一堂に集まることは近年になかった。政情不安定、国際政局も不穏な昨今、右翼も新たな局面に向かい合っている。その意見交換だろう」(参加した団体代表者)
支持率低迷、少数与党となった石破内閣が、右翼のみならず国民の不安と不信をさらに煽ることがないよう願う。