右翼、前「在特会」会長、反レイシスト他がトークイベントで大激論

「デマ流してたのは誰だよ!」「日本人拉致なんて嘘っぱちだって散々言ってたのアンタたちだよね!」

 聴衆から抗議の怒声が飛び交い、会場は緊迫した空気に包まれた。6月16日、東京都内で行われたイベント「第10回皇道維新研究会 大吼座談『右翼の本分』を語る」(主催:大吼出版)でのことだった。関係者が解説する。

「この日、出席したのは右翼団体『憂国清心同友会』議長の草壁悟氏、『超国家主義「民族の意志」同盟』中央執行委員長・森垣秀介氏。そして神職の龍水浪雲氏。龍水氏といえば、かつて総理の靖国神社公式参拝をめぐって浄土真宗本願寺派と対立。武装し放火未遂の罪で長期服役した経験を持つ人物。他にも前『在特会』会長の八木康洋氏、ユーチューバーの宅建太郎氏といった論客が参加しました。そして、客席から向かっていちばん左には『地震と虐殺1923-2024』などの著書がある安田浩一氏。長年、反ヘイトを掲げているジャーナリストです。それぞれ立場は異なるにせよ右翼をよく知る人達が集まり現在の右翼について本音を語る。以前からイベントは注目を集め、会場にはあふれんばかりの聴衆が詰めかけました」

 座談会では、「右翼とヤクザ」「行動右翼とネトウヨの違い」など、様々なテーマで議論が繰り広げられた。会の中盤、ヘイトスピーチを行っていた在特会と右翼の関係に話題が及ぶと、進行役の同血社・河原博史会長が割って入り、「我々が在特会に対して握手を求めたことはない」と否定。「一部をもって全部の右翼が在特会のヘイトを肯定していたと思われるのは心外」と主張した。

「右翼ではない人の意見を積極的に伺い、誤解があれば説明し、批判されるに足るものがあれば真摯に耳を傾ける。これによって右翼の原点回帰を見直したいとの試みでした。口論になることも予想しておりましたが時間が足りなくなってしまい、次に繋げたいですね」(主催者・丸川仁氏)

 座談会の模様はYouTubeの政治結社大行社公式チャンネル「大吼ジャーナル」で閲覧できる。興味がある方は一度覗いてみてほしい。

(編集部)

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