NBAレーカーズの八村塁が再び日本バスケットボール協会(JBA)への“不信感”を激白させたことで、「事実上の絶縁宣言」ともっぱらだ。
八村は11月23日、ナゲッツ戦後に取材に応じた際、JBAについて「プレーヤーファーストの精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくないし、そういう団体とはやりたくない」と不信感を露わにした。
「今回の発言もかなり重い。八村が言いたいのは、JBAやBリーグは潤っているのに、代表の強化のためにどのようにカネを使っているか全く不透明だということ。代表の辞退は本人の問題ですが、チームやJBAに対する不満は相当なものです」(スポーツ紙記者)
11月13日にも八村は試合後の会見で「少しお金の目的があるような気がする」とJBAを批判し、トム・ホーバス監督についても「プロとしてコーチをやっていたことある人になって欲しかった。僕としては残念」としていたが、その後、渡辺信治JBA事務総長は「選手個人の意見でヘッドコーチを決めることはない」とキッパリ。これで両者のミゾはいっそう深まっていた。
「協会はかつて、2006年の世界選手権(現W杯)を日本で開催したことにより13億円という巨額の赤字を抱え、その責任を巡って分裂。結果、2つのリーグができてしまった。この事態に国際連盟(FIBA)が制裁を加え、日本サッカー協会・川淵三郎最高顧問が改革に乗り出しBリーグが誕生。その後も協会上層部は主にサッカー界からの人物が占める状態が続いている。現在会長を務める三屋裕子氏も川淵氏の腹心の一人ですが、何せ今回のようなトラブルへの対応能力については未知数。協会の生え抜き組が八村発言に後押しされる形で息を吹き返す可能性も十分にあり、空中分解寸前の状況と言えます」(前出・スポーツ紙記者)
11月21日、24日に行われたアジア杯予選で男子日本代表は来年8月に開催するアジア杯本戦、11月から始まるW杯2027アジア予選への出場権を獲得したが、ホーバス監督は「JBAが箝口令を敷いているため八村について一切言及していない」(夕刊紙記者)という状況。暗雲が立ち込めまくっている。
(小田龍司)