石立鉄男主演の「パパと呼ばないで」の“チー坊”役で大人気になった昭和の天才子役・杉田かおる(59)と縁が深い城下氏は回想する。
「まだ駆け出しだった頃、『3年B組金八先生』(TBS系)の『十五歳の母』エピソードについて雑誌に書いたら反響が大きかった。特に杉田のお母さんがすごく喜んでくれて。『とてもいい原稿でした。誕生会をやるので吉祥寺まで来てください』と。それでバラの花を持っていったんですよ。招かれたのは実家で、そこには杉田と妹とお母さんの3人しかいないので『えー』と思いました。本物の誕生会だったんですよ」
ファミリー誕生会に出席した城下氏は、いつしか大人になった杉田の愚痴を聞く相手になったという。
「子役って大人びてて、女優さんが泣く演技の時に、横で泣き待ちしてるわけですよ。次のシーンのために。でも、女優さんはなかなか涙が出ない。そうすると、杉田は『泣く時ぐらい泣こうぜー』とか言っちゃう(笑)。子役って泣こうと思えばすぐに泣けちゃう。急に怒鳴ったりとかできるんですよ。役者がやるべきことを一瞬でできる」
杉田は52年に及ぶ芸能生活で計3度のブレイクを経験している。最初はチー坊、2度目が「十五歳の母」。
しかし、バブル期に父親が勝手に実印を持ち出し連帯保証人にさせられ、約1億円の借金を抱える災難に遭遇するも、毒舌タレントとして3度目のブレイクを果たし、借金を返済する。
「彼女、有名な業界人と交際してたんです。その人に『女優をやりながらバラエティーやったら儲かるぞ』と言われて。そこで紹介されたのが、『さんま御殿』『ガキの使い』のプロデューサー、ガースーこと菅賢治さん。『このテーマでトーク。何分ぐらいでできる? それだと長いからここは端折って』とバラエティーでのしゃべり方を教わったんです。指導の肝は『オチはオーバーに言え』というもの。『男と喧嘩して怒ったからキッチンで物を壊した』『いや、それだと弱い。キッチン全体を壊せ』とかね。それで売れたんですよ」(城下氏)
「フリートーク風のセリフの仕込み」など、海千山千の元子役にとってはお手のものなのだった。
「傷だらけの天使」(日本テレビ系)の第1話や「ふしぎ犬トントン」(フジテレビ系)に主演するなど、人気子役だった坂上忍(57)もバラエティーで表舞台に返り咲いた1人。
「95年、飲酒運転と逃走で逮捕。助手席には山本未來(50)を乗せていた。あの頃は俳優1本だったからあまり叩かれませんでした。14年の『バイキング』で司会をするようになって『ワイドショーの司会は公人。何かあったら仕事パーになりますよ』って尋ねたら『わかってます』と。番組ではゲストの発言に『俺なんかもっとひどいことしてたけどな』と自虐ネタをかぶせたり、共演芸人の悪口を言ったりしたが、決定的にまずいことは言わない。それまでの経験があるから、言っていいこと悪いことの区別はキッチリわかっているんです」(城下氏)
子役時代に培った機転が役に立ったのかも!?
(つづく)