家庭でカレーライス1食を調理した場合のトータルコストを示す「カレーライス物価指数」が2024年9月に364円となり、最高値を更新したと「帝国データバンク」が発表した。今後はさらなる上昇も予想されており、カレーライスが家庭で作られなくなる日がやってくるかもしれない。
「同指数は、カレールーや肉、野菜、米といった材料費にガス代などの光熱費から算出され、食卓への影響度を示すものとなっています。なお、カレー1食分の費用は2020年の平均で274円でしたが、22年頃から上昇がはじまり、23年8月に300円台を突破。今年9月は令和の米騒動の影響でコメ価格が急騰したこともあって、ついには300円台後半に突入してしまったのです」(フードジャーナリスト)
これにネット上では、《そういえば、最近家でカレーが出てくることがめっきり減ったけど、こんなにコストが上昇していたのか…》《364円はカレー1杯を作るためのコストであって、それに調理の手間暇も加わるわけで。レトルト買った方が手軽で安い上にうまいもんな、わざわざ作らなくなるよ》《もはやカレーライスは家庭の味ではなくなった。貧乏人にとっては十分贅沢品だよ》など驚きや悲しみの声が多く寄せられていた。
「カレーライス物価指数はここが天井と思いたいところですが、10月は1食380円に到達する可能性があるとの見通しがすでに出ています。コメ価格は新米が出回るようになっても高止まりを続けていて、さらに1ドル155円を突破して再び円安が加速しており輸入肉の値段上昇も予想されているので、今年中に1食400円を超える可能性も十分にありえます。そうなれば、いよいよレトルトの方が安くなり、家庭でカレーライスを作る機会はどんどん減っていってしまうでしょう」(同)
カレーライスがおふくろの味ではなくなる日もそう遠くない。
(小林洋三)