空いた時間に単発で働く「スキマバイト」がシニア世代に浸透している。大手仲介サービス「タイミー」の報道資料によると、昨年7月時点で65歳以上の登録者は約4万人。20年以降、毎年2倍のペースで増え続けているという。シニア大歓迎の儲かる仕事をプロアルバイターが指南する。
《補充バッテリー数121/報酬金額7060円》
これは本誌記者が登録している「スポットワーク」の9月分の稼働明細だ。コンビニなどに設置されているレンタルモバイルバッテリーを回収し、不足しているスポットへ補充するというもので、報酬は1個あたり55円〜70円(ボーナス除く)。時にはバッテリーを求めて自転車で5キロ以上遠出するなど、それなりに苦労もあったが、月7000円なら小遣いとしては悪くないだろう。
だが、昨今の物価高もあって将来への不安は尽きない。もっと割のいいバイトはないものか。アドバイスを求めたのは、女性お笑いコンビ・うみのいえのウェイウェイさん(47)。これまで20種類以上の業種でアルバイトを経験してきたプロアルバイターである。
「夜はお笑いのライブがあるので予定を空けておきたいんです。また、急なオーディションが入ることもあるので、なるべく短時間でスケジュールの融通が利くバイトを5つも6つも掛け持ちして、何とか生計を立てています」(ウェイウェイさん、以下同)
そんな彼女が午前10時から午後1時まで、週2〜3回のペースで働いているのが、人気とんかつチェーンだ。
「最近はセルフサービスの店舗が増え、配膳や食器回収の業務がなくなったので、シニアの方でも働きやすくなったと思います。厨房で調理や盛り付けを担当していますが、ずっと揚げ物を見ているだけで食べた気になるのも大きなメリット。脂っこいものを控えたい方にこそ、とんかつ屋のバイトをオススメしたいですね」
そんな彼女にスケジュール帳を見せてもらうと、「あけ」「しめ」と謎の文字列が無数に書き込まれていた。
「これはイベント施設の管理の仕事で、借りる人が来るタイミングに合わせて入り口の鍵を開けて、撤収する際に閉めるというもの。交通費込みで報酬は1回1500円です」
鍵の開閉でお金がもらえるとは、探せばおいしいバイトがあるものだ。
さて、多くの中高年が活躍しているのが清掃業界だが、
「70代になる私の母や40代の知り合いの芸人もやっていますが、公園の清掃バイトもオススメ。清掃前と清掃後の写真を送って報告する仕組みで、1人で都合のいい時間を選んで作業できるのが魅力です」
社会貢献のつもりでチャレンジする手もあるか。
(つづく)