湖でも侮れない…“カヤック50人一時遭難”でも分かった琵琶湖の怖さ

 滋賀県の琵琶湖で9月9日、びわこ成蹊スポーツ大学(大津市)の学生ら50人がカヤックで航行中に遭難したと警察が発表したが、その後、無事が確認されるという出来事があった。大学は11日に記者会見を開き、学長が「関係者に多大なご迷惑をおかけした」と陳謝している。

 サッカー部の選手ら計50人が部活動の一環としてカヤックを航行。大津市北比良の艇庫と、約8キロ北東にある湖中の鳥居で有名な白髭神社を往復する計画で、午後2時半ごろ出航した。午後5時ごろに白髭神社を出発したが、途中、風とともに波が上がってきていることが確認されたため、5時50分ごろ、カヤック指導責任者が継続は難しいと判断。遅れているカヤックに対し、「日没と視界不良になる前に集団ごとに近くの湖岸へ上がり、連絡を待つように」と指示したという。

 全員ライフジャケットを着用しており、けが人はなかったが、参加者の安否が完全に掌握できていない状況で、カヤックを目撃した湖岸の住民が「日没になるのに危ないのではないか」と警察に通報していたそうだ。

「カヤックは初心者でも気軽に楽しめるとされていますが、波や風の影響を受けやすくバランスを取りづらい。さらに琵琶湖は、湖なので波も風もおだやかなイメージを持ちがちですが、大きいので波や流れもあり、海と同じように考えなければならないとか。全方位から波や風が発生するので注意が必要といいます」(夕刊紙記者)

 琵琶湖を甘く見てはいけないようだ。

(鈴木十朗)

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