「1円玉」「5円玉」が熱い!キャッシュレス時代でプレミア化する“価値3000倍”の硬貨

「ギザ十(ギザ10)」の存在を覚えているだろうか。縁の部分に溝が彫られてギザギザになっている10円玉のことで、昭和26年から昭和33年の間だけ製造されていた。製造期間が短かったことや、年度ごとの製造枚数にバラつきがあることからコレクション品として人気があり、未使用状態品は5万円の高価格で取引されている。

 近年、世界的なインフレや為替変動など、不透明な経済状況が続くなか、資産の分散先のひとつとして、「コイン収集」に注目が集まっている。冒頭のギザ十は誰もが1度は手にしたことがあるだろうが、他にもプレミア硬貨は多くあり、中でも今、最もホットなのが「1円玉」と「5円玉」なのだという。

 コインコレクターが解説する。

「近年は急速なキャッシュレス化が進み、1円玉や5円玉を使用する機会が激減しています。それに伴う製造枚数減少で取引価格が急騰しているのです。特に注目が集まっているのは、平成22年から25年の4年間に製造された5円玉。発行枚数が少なく、状態によっては高いもので約400倍になります。また、昭和24年から昭和33年までに製造された5円玉は、現行の5円玉とデザインが異り『五円』の文字が楷書体になっていて、元値の40~50倍が相場となります」

 硬貨にプレミアがつく理由として多いのは「その年の発行枚数が少なかったこと」。昭和61年の10円玉は約2000倍、平成23~25、29、30年の1円玉は約3000倍の値がつく場合があるという。

 今ではすっかり使用する機会が減った硬貨だが、いま一度、財布の中をチェックしてみてはいかがだろうか。思わぬお宝が眠っているかもしれない。

(ケン高田)

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