ノルウェー王女が再婚、王室支持率の低下を招いた霊媒師夫の素性

 ノルウェー西部のフィヨルドにある風光明媚な村、ガイランの丘の上に立つホテルで8月31日、ノルウェー国王ハラルド5世の長女マッタ・ルイーセ王女と、米ハリウッドの霊媒師デュレク・ベレット氏の結婚式が執り行われた。祝賀パーティーには、スウェーデンのビクトリア皇太子夫妻ら350人以上の招待客が出席。王女はバツイチで3人の子供を持つ52歳。一方、ベレット氏は初婚だが、婚約中から、その素性にノルウェーメディアの注目が集まっていた。

 というのも、ルイーセ王女の前夫である作家のアリ・ベーン氏は2017年に王女との離婚後にうつ病を患い、2019年のクリスマスの日に自ら命を絶ったのだが、その背景にあったのが、王女のスピリチュアル世界への狂信ぶりにあったとされる。

「王女が自分に『千里眼』があると言い始めたのは2007年頃から。その後、『私には“神気”がある』と主張し、2018年まで『天使と対話する方法を教える学校』を運営してきましたが、多くの批判にさらされていたこともあり、前夫との間ではいさかいが絶えなかったとも伝えられます。で、結果、スピリチュアル世界の繋がりで知り合ったのが、自称霊媒師のベレット氏だったというわけです。同氏は米カリフォルニア出身で自身を『レプティリアン(ヒト型爬虫類)とアンドロメダ人のハイブリッド種』であるとしていて、前世はファラオだったと主張する人物。2人は2022年6月に婚約を発表し、ノルウェー中に衝撃を与えることになりました」(外報部記者)

 ただ、ルイーセ王女は国王ハラール5世とソニア王妃の長女で、王位継承順位では、弟のホーコン皇太子と、その子ども2人に次ぐ第4位という身だ。だが、ノルウェーメディアの大バッシングもあり、王室は彼らに「称号の商用利用を行わない」ことを求め、結果、ルイーセ王女は公務から退くことになった。しかし、家族の象徴であるプリンセスの称号を捨てることは拒否したままであるため、まだまだ物議を呼ぶことは間違いない。

「王女はかねてから自分には霊能力があり、天使と会話できるとして、著書や講演などで利益を得てきましたが、夫である霊媒師のベレット氏も同様に数多くの著書を出版。しかし、著書の中には相当ヤバイ記述もあり、例えば2019年に発売した著書『Spirit Hacking(スピリット・ハッキング)』では、子どもたちは不幸であるだけでガンになり得ると示唆したり、アイルランドの新聞に掲載されたインタビュー記事では『女性が性的パートナーを多く持ちすぎると、性的器官の内側にある種の痕跡が刻まれ、それをきれいにする必要がある。そのためのエクササイズを提供している』と述べて物議を醸し出したこともあります」(同)

 同氏いわく2人は前世で出会っており、自身が古代エジプトをファラオとして統治していた頃、ルイーセ王女が王妃として傍にいたというのだから、驚くばかりだが…。

「ベレット氏のウェブサイトでは著書だけでなく、自身が新型コロナウイルスに感染した際、これを身に着けたことですぐに回復したとする、『魂の最適化ツール』だとするメダルも222ドル(約3万2000円)で販売しています。結婚後もビジネスは続けていくつもりのようですから、今後、王女が広告塔として利用されることも十分考えられますね」(同)

 さらに、ベレット氏は度重なるバッシングに対し、自身は人種差別の被害者だと主張。2022年6月には、《白人が私たちにあらゆる憎しみと殺害予告を送ってくる。王室に黒人男性が加わるのを見たくないからだ》とインスタグラムに投稿。ヘンリー王子と結婚したアフリカ系米国人のメーガン妃を引き合いに出し、「私も彼女と同様だ」と主張している。

 そんなドタバタで、ここ数年の王室支持率は低下の一途をたどるばかり。国営テレビNRKの世論調査によれば、王室支持率は2017年の81%から、2人が結婚式を挙げる寸前には68%に低下したとの報道もあり、新郎新婦にとっては文字通り前途多難な門出になったようだ。

(灯倫太郎)

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