吉野家はダチョウ肉丼「1683円」をきっかけに“庶民の味方”を離れていくのか

 吉野家ホールディングスは8月28日、オーストリッチ(ダチョウ)に関する事業を開始すると発表した。同日、牛丼チェーン・吉野家の一部店舗ではダチョウの肉を使った丼メニューの販売を開始。価格は1683円(税込)。庶民の味方であるはずの牛丼店から超リッチ商品の誕生となった。

 ダチョウ肉を使ったメニューは「オーストリッチ丼~スープ添え~」。ダチョウのもも肉とひれ肉をローストビーフ風に仕立ててあり、全国の吉野家のうち「クッキング&コンフォート」と呼ばれるカフェ形態の約400店舗で数量限定で提供されている。

 ダチョウの肉は低カロリーで低脂肪、低コレステロールであることに加え、鉄分などのミネラルが豊富。また、脂肪の燃焼を助けるカルニチン、運動時のエネルギー生成をサポートするクレアチンも含まれている。同社は牛肉、豚肉、鶏肉に続く「第4の肉」として、ダチョウ肉のメニューを提供していくとのことだ。

 ただ、ダイエット中や筋トレに励む人からは歓迎されるかもしれないが、ネット上では《ヘルシーで体には優しいが、お財布には優しくないお値段》《我々庶民には払えない》《吉野家がどんどん庶民から離れていく》などと、高価格に動揺するコメントが目立つ。

「同社HPによると、2024年度の吉野家既存店の月次推移は3月から7月まで前年同月比を上回っています。順調とはいえ、牛丼並盛1杯498円(税込)とワンコインでお釣りがくる価格設定。『うまい、安い、早い』というキャッチコピーで知られる吉野家ですが、『高い』メニューの誕生で、庶民の利用者は戸惑いを隠せないのではないでしょうか」(フードライター)

 ダチョウ肉の登場で、吉野家の一部メニューは高級化していくのか。

(石田英明)

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