7月29日に牛丼や定食などの主力メニューの価格改定を行った吉野家。4年連続の値上げとなり、牛丼(並)は468円から498円(※テイクアウトは460円→489円)。まだワンコインで食べることができるが、1杯280円だった00年代前半ほどの割安感はない。
牛肉などの原材料価格や人件費の上昇を考えれば仕方ないが、そんな吉野家は海外にも進出している。マクドナルドやスターバックスなど海外展開する飲食店は国によって価格が異なるが、吉野家の場合はどうなのか。各国の牛丼(並)の値段を調べてみた。
まず、海外でもっとも高額だったのは、100店舗(※7月時点。以下同)を展開する米国の8.29ドル(約1193円)。ただし、同国では近年物価が高騰しており、その中でこの価格はまだ安いほうだと言えそうだ。
そして、米国に次いで高かったのは香港の53香港ドル(約978円)。吉野家の海外店舗ではこの2つの地域が突出して高かった。
また、ここまでではないが他にも日本より高い国は、シンガポールの6シンガポール・ドル(約663円)、タイの139バーツ(約588円)、モンゴルの1万3500トゥグリク(約570円)、台湾の124元(約561円)、フィリピンの200ペソ(約509円)と続く。
一方、日本より牛丼が安い国は、155店舗を展開するインドネシアの4万8181ルピア(約477円)や、海外では最大となる581店舗の中国の22元(約443円)、ベトナムの5万8000ドン(約334円)となっている。
「米国、香港、シンガポール以外の国々では、吉野家の牛丼は“普段より贅沢な食事”という位置づけです。しかも、日本のように無料のお茶は提供されず、ドリンク付きなどのセットメニューで頼むのが一般的。そのため、トータルの食事代はもう少し高くなります」(飲食業界専門誌記者)
物価と所得水準とのバランスで見れば、日本の吉野家はまだ良心的な価格設定のようだ。