「吉野家」が危ない?ネットをザワつかせた米国産牛肉の緊急輸入制限

 米国産牛肉の2020年度の輸入量が基準数量を上回ったため、政府は一時的に関税を引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード)を発動する見通しとなった。これに牛丼ファンからは、牛丼の値上げや販売停止を心配する声が相次いでいる。
 
「20年1月に発行された日米貿易協定によれば、20年度の米国産牛肉の輸入量の基準数量は24万2千トンとなっていますが、すでにこれを上回っているためセーフガードが発動され、関税が現在の25.8%から38.5%に引き上げられることになります。もともと米国産の牛肉輸入量はオーストラリア産に次いで2番目の多さですが、オーストラリア産が18〜19年に起きた干ばつの影響で輸入量が減る一方で、米産が急増していたのです」(経済誌記者)

 野上浩太郎農林水産相は、セーフガードが発動されても「国民生活に大きな影響があるとは考えにくい」と説明しているが、ネット上では《米国産牛肉を輸入制限すると「吉野家」は大丈夫なのか?》《これ、牛丼が値上げされるパターンでは?》《「吉野家」なら販売停止もやりかねない》など牛丼を心配する声が数多く見られた。

「牛丼チェーンの中でも特に『吉野家』は米国産牛肉に強いこだわりを持っていて、2003年にBSE騒動が発生した際には『米国産以外の牛肉では吉野家の味は出せない』と牛丼の販売停止したほど。そのため、今回のセーフガード発動によって値上げや販売停止されるのではとの声が相次いでいるわけですが、今回の関税引き上げは3月18日から4月16日までの30日間と限定的。そのためほぼ影響はないと思われます」(フードジャーナリスト)
 
 慌てて牛丼を食べに行かなくても問題なさそうだ。

(小林洋三)

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