小川彩佳アナの「NEWS23」移籍で“競業避止義務”はどうなる?

 テレビ朝日からの退社を明らかにしている小川彩佳アナは、本当に「NEWS23」(TBS系)のメインキャスターに就任するのだろうか。2月26日に行われたテレビ朝日の定例社長会見にて同局の亀山慶二専務は、その噂について「そのような話は聞いておりませんので」と答えたという。

「局アナがフリーになる場合、最初は古巣かその系列局で仕事をするというのがテレビ業界の不文律。たとえば元TBSの田中みな実アナは14年9月末に退職するも、進行役を務めていた『有吉ジャポン』には引き続き出演していました。同様に16年4月末に退職した元フジテレビの加藤綾子アナは『スポーツLIFE HERO’S』のMCを継続。今月いっぱいで退社するテレ朝の宇賀なつみアナも、フリーの第一歩は4月スタートの同局新番組『川柳居酒屋なつみ』から。それに対して小川アナはフリー転身後にテレビ朝日系の番組を担当するかどうか、決まっていないのです」(テレビ誌ライター)

 それではもし小川アナが業界の不文律を破り、退職後にライバル局であるTBSの報道番組を担当することになったら、どんな問題が発生するのだろうか?

「一般企業の就業規則にはたいてい『競業避止義務』が定められており、同業他社の仕事を請け負ったりすることはできません。そして退職する場合にもノウハウや顧客情報の漏洩を防止するため、同様の競業避止義務を誓約書などで交わすことは多々あります。この場合、ライバル企業への転職だけではなく、自ら起業してライバル企業と業務提携するようなケースでも、競業避止義務違反として訴えられる可能性があるのです」(週刊誌記者)

 それではテレビ朝日が、小川アナの「NEWS23」キャスター就任を差し止めることは可能なのだろうか。

「このケースでは無理でしょうね。競業避止義務は、会社独自のノウハウや企業秘密が他社に漏洩するのを防止するもの。しかしアナウンサーの職務はどのテレビ局でもほとんど差はなく、企業秘密には当たらないはずです。また小川アナのファンが『NEWS23』に移ることは想定できますが、ファンは顧客や取引先には相当しないので、こちらも差し止めの理由にはならないでしょう。そもそもテレビ業界では他局社員の中途採用が増えており、とくにドラマの制作スタッフが他局に移る例は珍しくありません。実際の制作現場に関わる社員の転職は認めても、アナウンサーの転職は認めないというのは筋の通らない話です」(前出・週刊誌記者)

 報道番組を希望しているという小川アナ。退職後もその活躍を見られる可能性は大きそうだ。

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