さて、白タクと並んで在日外国人たちの間で「手軽に小遣い稼ぎができる」(中国人経営者)という商売がある。それがツアーガイドだ。
「白タクあるでしょ? 今はガイドも一緒にやったりするネ。バイトでやってる留学生は意外と多いのではないか」(中国人経営者)
ガイドの大半は、同郷の外国人向けにSNSで大阪の観光ガイドを宣伝する。費用は1日拘束で1万~2万円前後とされ、中国人の場合は、案内した飲食店から紹介料を中抜きするのが通例だ。副業でガイドを行う中国エステの店員が証言する。
「知り合いの飲食店に連れていき、バックマージンを1割ほどいただくんです。焼き肉や寿司、しゃぶしゃぶが人気で、団体客だと相応の金額になる。昼夜2回の食事とガイド料を含めて4、5万円は稼げます」
中には、「認定ガイド」を謳って信頼性を高める外国人留学生もいるそうだが、通訳案内士の資格を取得してない場合は虚偽表記。完全なる違法行為となる。
日本に在住しているだけで認定ガイドを名乗る外国人はごまんといる。マッチングサービスやSNSで「日本ガイド」や「地域名+ガイド」と表記できるのは有資格者だけで、資格を持たない人は表記できないルールだ。特に富裕層は肩書を重視するため、砂糖に群がる蟻のようにエセガイドが接触を図ってくるそうだ。
違法ガイドをきっかけに、インバウンド客にも知られるようになった“ある業界”がある。
「日本の裏ピンク業界です。ガイドの仲介によって外国人OKのちょんの間が現れ、それで海外にも一気に知れ渡った。飛田新地に関しては、英語や中国語で詳細が記されたサイトが複数あって、モザイクなしの動画も出回っている。最近人気なのが立ちんぼ。東京の大久保公園と並んで大阪のアメリカン通りもすごく有名です」(中国料理店の店員)
そのものズバリ、“買い”を目的とした大阪ツアーも横行している。舞台は梅田・兎我野町の「アメリカン通り」だ。
「それ目的のインバウンド客で多いのは中国人と韓国人です。わざわざ梅田のホテルに宿泊して遊びに来ますから」
こう話すのはアメリカン通りで約半年間、立ちんぼを続ける20代半ばのA子さんだ。「昨年の夏以降、急激に外国人観光客が増えた」として、こう続ける。
「向こうのサイトなどで記事になっているみたいで、普通に『遊べる? いくら?』とスマホの翻訳アプリを通じて声をかけてきます。外国人NGの女の子もいますけど、私は外国人の方がうれしい。だって皆さんが思っているより、優しいんですよ。チップをくれるのも外国人だけですし」
かつて東南アジアへの春買いツアーが盛んだった頃、「中国や韓国の男性にひどい扱いをされた」と涙ながらに語る現地女性の話をよく見聞きしたが、日本では噂すら聞こえてこない。マナーも飛躍的に向上しているようだ。
「サイトにはNGルールが事細かく説明されているそうですよ(笑)。だから、外国人から声をかけられると心の中では『ラッキー!』と叫んでしまいます」(A子さん)
来たる万博を前に、大阪の街は「犯罪博覧会」の様相を呈し始めている‥‥。
*週刊アサヒ芸能7月18・25日号掲載