次の自民党総裁にふさわしい人物は? 時事通信が7月に行った世論調査では石破茂元幹事長が22.1%でトップ。以下、小泉進次郎元環境相、菅義偉前首相、河野太郎デジタル相に次いで5位につけたのが、高市早苗経済安保相だ。
総裁選を約2カ月後に控えたタイミングで、その高市氏が7月18日放送の「BSフジLIVE プライムニュース」(BSフジ)に出演。過去の「シュレッダー騒動」を明かして視聴者をザワつかせた。
今後の自民党人事について、高市氏は「1年生議員だからダメとか、当選何期生以上しかこのポストにつけないとか、そういうんじゃなくて適材適所でしっかりとポストにつける。そういう自民党に変えていくべきだと思っています」と提言。さらに「ちなみに私は自民党の中で嫌われていると思うんですけれども…。政調会長の時にやらかしたんですね」と前置きして次のように語った。
「当時はまだ派閥がしっかりあって、派閥からナントカのポストにはこの人、ナントカのポストにはこの人って紙がザッとくるんです。シュレッダーしちゃいました」
派閥からの要望書をシュレッダーにかけたという発言に、番組の反町理キャスターは「え!」と驚きのリアクション。高市氏は自ら自民党議員の仕事をチェックして膨大な資料を作成。およそ120ある政調会のポストに対して「適材適所で壮大なパズルのようにはめ込んでいった」と振り返り、「それぞれの派閥からめっちゃくちゃ怒られました」とオチをつけた。
「高市氏が初めて政調会長に就任したのは2012年、民主党(当時)から政権を奪取して発足した第2次安倍内閣です。番組では齋藤健経産相とのやり取りも明かされました。経産省出身の齋藤氏が希望するポストについて『困難な仕事』と書いたところ、高市氏はまったく畑違いの農林部会長に抜擢。この仰天人事について高市氏は、『日本の農産物を海外に輸出したかった』とその理由を説明していました。それにしても派閥からの要望をシュレッダーにかけるとは、よほど肝がすわっていなければできないこと。それに対して、派閥の意向が色濃く反映された岸田内閣では、旧統一教会問題や裏金問題によって大臣や要職に就く幹部が次々と更迭されるという事態を招きました。自民党では安倍派が解散した後も派閥の力が色濃く残っていると言われているだけに、高市氏が言う『適材適所』は望めないかもしれません」(政治ジャーナリスト)
高市氏は総裁選に立候補するのか。また、出馬に必要な20人の推薦人を確保できるか。その動向から目が離せない。
(福島シゲル)