「給付金が出たわけでもない」イオンの4万円均一“定額減税セール”に「実感ゼロ」反応

 6月から実施される定額減税にあわせ、小売大手のイオンは家電などを減税額と同じ4万円の均一価格で販売するセールを開始したが、これに冷めた声が聞こえてくる。

 政府がデフレ脱却のための経済政策として6月から実施する定額減税では、給与収入2000万円以下の人を対象に、納税者本人と生計を一にする配偶者、扶養家族に1人あたり所得税3万円、住民税1万円が減税される。たとえば子どもふたりの4人家族であれば、16万円が控除されることと異なり、岸田首相は「手取り増の効果を国民の皆様によりしっかりと実感していただける」などとしている。

 これを受けて、全国の「イオン」「イオンスタイル」など全国のおよそ500店舗で「超!オトクな4weeks」として、6月末まで定額減税額に合わせたお買い得なセールを開始。対象となるのは11品目で、寝具やテレビ、ベビーカーなど通常価格5?6万円ほどの商品を最大4割引して4万円均一で販売。このほかにも、「野菜大放出企画」や「キッズサマーセール」など消費マインドを喚起する企画も順次実施され、物価高によってこれまで購入を控えていた商品の購入を後押しするとしている。しかし…。

「定額減税は4人家族で16万円分が減税されるといっても、所得税は6月の給与やボーナスの源泉所得から反映され、住民税は1万円減税分の差し引いたものを今年7月から支払っていくことになるため、16万円がお得になったという実感は得づらい。しかも6月からは電気とガス料金の補助金がなくなり、家計の支出は増加することから、減税効果をまったく感じないという方もいる。そんな中での“定額減税セール”だけに《給付金が出たわけでもないのに買おうと思わない》《そもそも手取りが増える実感がない》といった声が聞かれるのも確か。ただ、定額減税があろうがなかろうが商品を割引価格で販売してくれることはありがたいことですから、買い替えを検討していた商品などがあれば賢く利用してもいいと思います」(経済ジャーナリスト)

 果たして、定額減税はどれだけ消費を喚起することができるのだろうか。

(小林洋三)

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