新年度以降、「退職代行サービス」が連日メディアを賑わせている。先日は会社に退職したいと伝えたところ、陰陽師代120万円を請求されたという驚きのエピソードが報じられ、大きな話題になった。
そもそも会社を辞める際に退職代行業者を利用する人は、真面目で責任感が強く、自分だけ辞めると言えない人や、在職を強要してくるようなブラック企業に勤めているケースが多い。また、会社から執拗な引き止めにあっている人も少なくないだろう。背景には慢性的な人手不足問題があり、今後も退職代行業者を利用する人は増加すると見られている。
実際に利用を考えている人もいるだろうがが、見落としがちなのが費用面だ。業者によって金額は異なるが、いずれも数万円程度の費用がかかり、一時的に無職の状態になる人にとって経済的な負担になるのは間違いない。SNS上には「退職代行業者を利用するのは無駄」と言い切る声も少なくないが…。
「初めて退職代行を利用する人の中には『退職代行を利用して辞めるのは違法ではないか』と不安になっている人もいるでしょう。サービスを利用すること自体はなんの問題もありませんが、未払い賃金や有休休暇の消化をなどの交渉や請求を行うと、弁護士でない者が報酬を得て法律業務を行う『非弁行為』にあたり、違法となるケースがあります。ただ職場に退職を伝えるだけならば届け出を内容証明で送ればいいだけ。そもそも他人に頼む必要はないでしょうね」(法律事務所関係者)
もっとも、ブラック企業などは、失業手当の受給に必要な離職票を嫌がらせで発行しないケースもあるという。金銭的なやり取りなどが必要になる場合は、最初から弁護士に依頼した方がスムーズにことが運ぶハズだ。
たった数万円でウザい上司や同僚と顔を合わさずに退職できると考えるのは、Z世代が「タイパ」を最優先しているというわけか。
(ケン高田)