8大会連続の五輪出場を決めたサッカーU―23(23歳以下)日本代表が揺れている。
五輪では56年ぶりのメダル獲得に期待がかかるパリ五輪(7月26日~8月11日)を目前に控えながら、本大会でベストメンバーが組めないことが濃厚になってきたのだ。
大岩剛監督は、「選手の移籍など、多くの問題があり、日々チーム編成が変わっていく状況」としてオーバーエイジ(OA)枠についての報道を自粛するよう要請する場面もあった。
「特にネックになっているのがレアル・ソシエダの久保建英の招集です。U―23日本代表は6月に米国代表とアウェーで2試合の強化試合を組んでいるのですが、その後、パリ大会まで合わせる期間がないために、この遠征に招集できない選手は本大会のメンバー入りが極めて微妙になります。実は、久保の参加が微妙なんです」(サッカー担当記者)
東京五輪では6戦3ゴールをあげた久保が、結果的に4位に終わったことで「サッカーをしてきてこんな悔しいことはない」と号泣していた姿は記憶に新しい。本人はその雪辱もあってかパリ五輪出場に意欲的で、大岩監督も「本人の意思確認は終えている」と招集に前向きだったが…。
「久保を招集すれば、彼中心の戦術を敷かなければチームは機能しません。ただ、A代表の森保一監督はU-24代表監督時代に東京五輪で久保をフル稼働させませしたが、結局はメダルに手が届きませんでした。この時のトラウマが、サッカー協会にあるようなんです。また、U-23アジア杯は久保なしで優勝したこともあり、久保招集に関しては情勢が大きく変わっているんです」(前出・記者)
五輪ではこれまで23人を招集できたが、パリ五輪では18人になった。OA枠をフル稼動させれば15人しかエントリーできず、久保を「指定席」とすれば、14人となってしまう。
「協会関係者の中には、『久保の遠征招集は完全にボーダーライン』と囁く人もいます。遠征のメンバーは5月30日に発表される予定ですが、果たして…」(前出・記者)
まさかの「久保のパリ五輪落選」はあるのか。
(小田龍司)