讃岐うどんブームの仕掛け人集団「麺通団」の団長が「讃岐うどん巡りブームの歴史のウソを全国ネットで広められるのは非常に不本意だ」と、うどんチェーンの「丸亀製麺」に苦言を呈したブログがツイッター上で拡散し、トレンド入りするなど大きな話題となった。
「団長は、バラエティ番組『ウラマヨ!』(関西テレビ)で『丸亀製麺』の社長が語った、誕生のヒントになったという讃岐うどんの製麺所でのエピソードを子細に分析し、その内容が『“丸亀製麺は全ての店で粉から作る”というコンセプトをサポートするために後付けで加えたウソのストーリー』と断言しています。また、『なぜ多くの“誠実な讃岐人や讃岐うどんファン”たちから丸亀製麺に対するネガティブな感情が出てくるのか』を4項目にまとめ、①丸亀製麺は香川県の会社でもなく香川県でうどん店や製麺業をやっていた実績もなく、②香川に『丸亀製麺所』という会社があるのに『丸亀製麺』という名前を付け、③自らが讃岐うどんの大家か代表であるかのように、全国ネットのテレビや雑誌等で『讃岐うどんの歴史や文化や技術』を語り、④全国のマスコミやジャーナリストたちが丸亀製麺を讃岐うどんの代表の一つであるかのように扱い始めた、と指摘しているのです」(文化部記者)
このブログ内容にツイッターでは、《香川県民が丸亀製麺に対して抱いている思いを事細かく書いてくれてて物凄くありがたい》《「うまけりゃいい」って人が多いんだろうけど、あれは文化の盗用だと思う》《丸亀製麺は本場が培ってきたストーリーや背景すらも奪い取ろうとする》など、「丸亀製麺」へのバッシングが相次いだ。
「確かに『丸亀製麺』は兵庫県で誕生したうどんチェーンであり、香川県とは縁が薄い。しかし、丸亀市で食育に関するイベントを開催して収益を寄付したり、西日本豪雨で丸亀城の石垣が崩落した際にも寄付を行うなど、友好関係はあります。福岡県とは何の関係もない博多ラーメン店や大阪とは何の関係もない串かつ店も全国にたくさんあるわけですから、ビジネスとして発祥地との関わり合いにそこまでこだわることではないかとも思います。間違った事実を広められて、香川の人が心を痛めるのは当然ですが、裏を返せば『丸亀製麺』の認知度がそれだけ全国で高まり、発信力が強まっているということでしょう」(飲食店コンサルタント)
思わぬところで摩擦が生じたものだ。
(小林洋三)