寿命を伸ばす魔法の「時間食事学」(3)糖質制限は意味がなかった

「さらに朝と夜に魚肉ソーセージを摂取して中性脂肪の変動を見る実験では、夜より朝に摂取したほうが血中のDHA量が高くなっていることから、中性脂肪を抑える効果として、夜より朝に摂取したほうがいいこともわかっています。つまり、魚肉ソーセージは朝食として摂ることで、より多くの恩恵を受けられるというわけです」

 これに、御飯やパンなどの炭水化物を摂れば、まさに鬼に金棒、健康長寿の「黄金食」なのである。

「昨今の糖質制限ブームで、炭水化物を敬遠する人も少なくありませんが、極端な糖質制限は栄養学的に考えても意味がなく、基本的には糖尿病の人以外は必要ないと考えていい。糖質を制限すれば、確かに一時的には体重が落ちます。でも、あくまでも短期的なもので、長期的な効果は望めません。そして、必ず起こるのがリバウンド。なぜなら、いかに糖質を制限しても、そのぶん脂肪を摂れば当然、脂肪は増える。結局はそれだけのことなんです」

 つまり、糖質を我慢し、つらい思いで痩せたとしても、すぐに元に戻るため、骨折り損のくたびれ儲けになるのである。

 また、遅い時間の食事は体内時計を後ろにズラす作用が強いので「肥満」のもとになる。そこでお勧めなのが「分食」である。

「夜遅く食べ物を摂ると、どうしても血糖値は上がりやすくなる。糖尿病予防の観点から、血糖値は急激に上げないほうがいい。そう考えた場合、一度にドカンと食べるよりも、同じ量を2つに分けると、血糖値の上がり方もマイルドになります。ですから、夕食前やちょっと早い時間に少し食べておく。そうすれば仕事終わりでもさほど空腹感を感じることがないので、必要以上に食べてしまうことを防げるはずです」

 体内時計は朝食で朝のリセットがかかるが、夕食でも夜のリセットがかかるため、夜のドカ食いは、さらに体内時計を後ろにズラしてしまう可能性がある。

「だから、できるだけ食べたいものは『朝・昼』に食べる習慣を作るほうがいい。朝昼はこれから活動する、ということもあり体がストレスに強くできていますが、夜、寝ている間はストレスに弱いですからね」

 何を食べるかではなく、いつ食べるかが重要。そして、「食べる時間」は、病気の予防や心の健康ばかりでなく、結果的に「記憶力」「学歴」「年収」との相関関係も明らかになっている。

 さあ、あなたも最強の食事習慣で体内時計をリセットし「健康」と「成功」を手に入れようではないか!

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