今季、投手転向3年目を迎える中日の根尾昂が「転機」を迎えている。
根尾は4月23日に行われたウエスタン・リーグの阪神戦に先発登板し、3イニングを投げ6安打3四球6失点。前回登板した16日のくふうハヤテ戦では6回1/3を3安打1失点、6奪三振と好投し、2軍とはいえプロ初勝利をあげていただけに、なんとも不甲斐ない結果になってしまった。
根尾は大阪桐蔭高時代、投打二刀流で春夏連覇に貢献。2018年ドラフト1位で入団した際には、「遊撃一本で勝負したい」と首脳陣に直訴したものの、1年目は1軍出場は2試合のみで、2軍でも108試合で打率.210、2本塁打と、思ったような成績を残せなかった。
21年は開幕から1軍で72試合に出場したものの打率は.178に留まり、二刀流として起用されることもあったが、結局は野手を諦め投手へ転向していた。
ところがその投手でも結果を残せていない。1軍でのプロ初勝利はいまだお預け状態で、今の調子では今季も「未勝利」で終わる可能性もあるだろう。
そんな中、にわかに浮上しているのが、野手への「再転向」説だ。スポーツ紙記者が語る。
「そもそも野手時代の根尾は、内野、外野、内野とポジションがコロコロ変わり、本人が希望したショートに専念したのは実質的にプロ1年目だけ。最初から注目度、期待値が高かったことで首脳陣が焦りすぎた感がある。育成方針にブレがあったため、成績が残せませんでした。投手に転向したのはいいが、3シーズン目に入ったにもかかわらず未勝利。元中日で侍ジャパンの監督の井端弘和氏は、根尾のスイングを高く評価しており、このまま結果が出ないようであれば、OBを中心に野手への再転向の話も出てくるかもしれませんね」
同じ中日ドラ1の先輩・高橋周平は、育成方針にブレが生じ、プロで芽が出るまで実に6年を要したが、その後、チームの主力選手に成長した。「野手・根尾」を4年で見切ったのは早すぎたのではないだろうか…。
(ケン高田)