アメリカのバイデン大統領周辺で岸田文雄首相に対し「裏切り者」「二枚舌政治家」との揶揄が飛び交っているという。
「岸田首相はつい先日、国賓待遇でバイデン大統領に招かれたばかり。ホワイトハウスで開かれた公式夕食会での英語スピーチは拍手喝采が巻き起こり大成功した。おまけに大統領専用車『ビースト』に同乗する特別待遇を受け、バイデン大統領との蜜月ぶりを全世界に猛アピール。それが今回の麻生氏とトランプ氏の会談で台無しになった」(外務省関係者)
自民党の麻生太郎副総裁は4月23日午後(日本時間24日早朝)、ニューヨークの「トランプタワー」でトランプ前大統領と会談。トランプ氏はさっそく自身のSNSでトランプタワーのロビーで麻生氏を出迎える様子を動画で発信。「麻生氏の訪問を受けるのはとても名誉なこと」などとしている。
しかし、バイデン氏やその周辺からすれば、岸田政権のお目付け役かつ、岸田首相の知恵袋とも言われる麻生氏がこのタイミングで敵対する相手と会談したとなれば、頭にくるのも無理はない。
外交アナリストが指摘する。
「秋の大統領選で『もしトラ』となれば、バイデン大統領のコバンザメ状態にある岸田首相にトランプ氏がレッドカードを突き付ける可能性は高く、そうなれば徹底した日本叩きが起こる。それを危惧した岸田首相が麻生氏を密使としてトランプ氏のもとに送りこんだのが、今回のトランプ・麻生会談と言われます。上川陽子外相は『一議員として行われるもの』『政府として関与していない』と述べ煙幕を張っていますが、アメリカにも世界にも通用しないでしょう」
この麻生氏の「もしトラ」行動に、アメリカのシンクタンク関係者もこう指摘する。
「バイデン大統領は直接非難を避けているものの、怒りを露わにしているのは大統領側近らだという。一部からは『あれだけ歓待したのにキシダは恩をアダで返す』『日本の次の首相はキシダでは絶対ダメだ』とした声が続々聞こえてくる。かといって、一方で擦り寄られたトランプ氏側でも岸田政権の二枚腰外交には呆れが声が出ています。まさに二兎を追うものは一兎も得ず、の状態にならなければいいのですが」
岸田政権の戦略はプラスに出るかマイナスに出るか。
(田村建光)