麻生太郎「火だるま失言録」を緊急召集する(3)カップ麺の値段は「400円」

 麻生氏といえば、失言だけでなく、漢字の読み間違いでも世間の失笑を買ってきた。08年に内閣総理大臣に就任した頃から、その漢字力にペケが入り始めた。

 踏襲を「ふしゅう」、未曾有を「みぞうゆう」と読んでしまったのだ。国会答弁や来賓あいさつで間違えるものだから、一国の首相としての品格を疑問視する声は多かったという。

 麻生氏が読み上げる答弁書に、ご丁寧に振り仮名が添えられていたエピソードはあまりに有名だ。なぜ、中学生レベルの漢字が読めないのか。その理由について、政治部デスクはこう推察する。

「幼少期に勉強をしてこなかったからでしょう。小学校低学年までは『麻生塾』という麻生一族が経営している寺子屋のようなところに通っていた。途中から学習院に移ったけど、エスカレーター式で進学できるから勉学に力を注いだわけではない。それよりもケンカに明け暮れていたようだ」

 漢字が苦手な一方で、得意科目はもっぱら英語だといい、

「政界に入る前に世界を相手にビジネスをしていただけあって、英語は堪能。外務大臣時代には、各国の外相と直接1対1で会談していたのは有名な話です。総理時代には、国連総会で演説中に機材トラブルが発生。『It is Japanese machinery, no?(日本製じゃないよね)』と、とんちの利いたジョークを披露して聴衆を感心させました」(政治部デスク)

 いっそのこと、国会でも英語で答弁したらどうだろうか。

 さて、麻生氏といえば祖父に吉田茂元総理、高祖父に大久保利通を持つ政界のサラブレッド。その華麗なる家系は時として庶民感覚とかけ離れた失言を生むことになる。その最たるものが、「カップラーメン発言」だろう。

「国会の答弁の中で、野党議員にカップラーメンの値段を質問され、『400円くらい?』と、実際の倍以上の金額を答えた際には野党議員も苦笑するしかなかった」(前自民党議員秘書)
 
13年には行きつけの会員制クラブに年間約800万円もの政治資金をつぎ込んでいたことが発覚するなど、浮世離れした金銭感覚はたびたび問題視されてきた。

「飲食会合費は議員の中でもトップクラスの額になっているけど、決して庶民感覚がないわけじゃない。講演会とか遊説の合間によくコンビニに寄っては、自分の財布でおにぎりやアイスを買って移動中の車内で食べていました。『カップラーメンは買ったことはないけど、おにぎりはあるって言えばいいのに‥‥』なんて小言を言う記者もいたけど」(政治部デスク)

 反省の色を示さないのはいつものこと。冒頭の「アイヌ軽視発言」を受けての謝罪会見でも、ぶっきらぼうに言い分だけを述べる麻生氏は、とても心から反省しているようには見えなかったが‥‥。

「長年担当した番記者によれば、目線や表情の固さを見れば『やってしまったな‥‥』と落ち込んでいるのがわかるそうです。これまでも失言や軽はずみな言動で誰かを傷つけた時にはそういうサインを出していたようで、今回のアイヌの件ではかなり反省した様子だったと聞いています」(政治部デスク)

 へそ曲がりならぬ口曲がり大臣の謝意が全国民に伝わる日は訪れるのか。

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