ラーメン食べたら店が客に100円支払う!?SNS騒然イベントでリピーターは増えるのか

 埼玉にある人気ラーメン店が、3月30日と4月1日に、来店してラーメンを食べれば「100円支払う」とのキャンペーンを実施して大きな話題となった。

 3月30日、某ラーメン店の店主が自身のXに「本日は異常営業」として、最近のラーメンの完成度が過去イチで多くの人に食べに来てほしいことから、「食べてくれたら100円お支払いさせていただきます!」と宣言。無料でもなく、エイプリルフールでもないとし、「お金払います」と強調。さらに3月31日の定休日を挟んで4月1日にも、ラーメン食べに来てくれたら100円お支払いキャンペーンを実施すると投稿。これに店の経営を心配する声も出ていた。

「一見すると無謀なキャンペーンのようにも思えますが、実際には宣伝効果を狙ったかなり戦略的な手法だと言えます。ラーメン1杯の単価が300円として、客に100円を支払って1日に200杯提供したとしたら、費用は8万円で2日で16万円。これで、初日の投稿だけでも約400万件表示されていますし、この店の名前で検索すると実際に食べに行ったというレポートも数多く投稿されている。しかも、ラーメン好きに届くように情報が拡散していますし、ネットニュースにもなっているので、16万円の広告費と考えれば非常に賢いやり方だと思いますよ」(飲食店コンサルタント)

 ただし、この飲食店コンサルタントはこうも指摘する。

「宣伝効果は確かにあったとは思いますが、だからとって平常営業の時に多くの客が来てくれる…とも限らないのです。ラーメン1杯無料や1杯100円といったキャンペーンを実施しても、ほとんどはその時しか来店せず、リピーターにはなりにくいのが実情。無料や大幅割引のキャンペーンを連発した揚げ句、閉店していく店舗も数多く見てきました。なので、今回の食べに来てくれたら100円支払いキャンペーンを2営業日続けて実施したのには驚きました。これは劇薬のようなものなので、やりすぎるとその時しか客が来なくなってしまいますからね。忘れた頃にやるのが得策なのかもしれません」

 その方が、客もありがたみを感じるだろう。

(小林洋三)

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