国境に縛られることなく仕事をする「デジタルノマド」たちを誘致しようとする動きが各国で活発する中、日本でも49カ国のデジタルノマドを対象に、最大半年間の滞在が可能になるビザ=デジタルノマドビザの導入を進めていることが明らかになった。
比較的高収入と言われるデジタルノマドたちは、滞在中の消費活動による経済への貢献や税収などが見込まれるとして歓迎する国は多く、今ではデジタルノマドビザを導入する国は約50カ国に及ぶ。
当然ながら日本人が海外で就労するには就労ビザが必要だが、同様に海外でリモートワークをする場合も就労ビザ、つまりデジタルノマドビザを取得しなければならない。ただ、各国とも無条件に発給しているわけではなく、一定額以上の収入、または預金などの条件を定めており、滞在可能期間も国によって異なる。
アジアでは韓国が今年1月から試験的に導入した。最長2年間滞在できるが、条件は大企業の平均年収より高い年収8496万ウォン(約960万円)だ。
「他に台湾やタイ、マレーシア、インドネシア、スリランカ、UAEが実施していますが、条件が比較的緩いのが月収2000ドル(約30万円)以上のマレーシア。1年の期間も延長可能で、物価も安いことから外国人ノマドに人気です」(移住情報サイト運営者)
ヨーロッパでは15カ国以上が導入。だが、こちらも収入条件に関しては各国ともに高めだ。
「月収3500ユーロ(約57万円)以上という国が多い中、ハンガリーは、2000ユーロ(約33万円)、クロアチアは2540ユーロ(約41万円)となっています。しかし、国外の企業と雇用契約を結んでいることを条件に挙げる国も多く、フリーランスだと選択肢は狭まります」(前出・運営者)
中南米もカリブ海の国々を中心に20カ国近い国がノマドビザを発給している。
「中米は収入条件を設定していない国も多く、あってもメキシコが月収2595ドル(約39万円)で、南米ではアルゼンチンが1500ドル(約23万円)、コロンビアで750ドル(約11万円)と格安になりますね」(前出・運営者)
国によって提出すべき証明書や必要書類も変わるため、手続きが煩雑だったりする。それでも旅行や移住生活を楽しみながら働く海外リモートワークに魅力を感じる人もいるだろう。デジタルノマドビザの拡充を利用して、世界中を渡り歩くノマドとして活躍してみる!?
(高島昌俊)