2月24日に北朝鮮の平壌で予定されていた女子サッカーのパリ五輪アジア最終予選が中止となり、20日に急きょ、サウジアラビアのジッダでの開催がアジアサッカー連盟(AFC)から発表されたなでしこジャパン。試合はスコアレスドローに終わったが、28日には国立競技場で再び北朝鮮との一戦を控えているため、代表は試合後すぐに現地を出発し帰国した。
ちなみにこの1週間の移動距離は約1万9000㎞。中東でのアウェー戦では決して珍しいことではないが、今回は開催地が決まった当日の夜に出発する前代未聞の状況だった。さらに帰国後もすぐ代表戦が控えた厳しいスケジュールで、ネット上でも《罰ゲーム状態》など同情の声が多数寄せられていた。
「こんな状況で調整しろというのが無理な話。選手たちは文句も言わず、よく戦ったと思います」(サッカー専門誌編集者)
ちなみにジッダの24日の最高気温は35度。試合は日没前に行われ暑さに苦しんだのか、選手たちの動きも重そうだった。
「一応、空調設備のあるスタジアムですが、時間帯を考えるとピッチ上はかなりの温度になっていたのでは。疲労度は真夏の試合並みだったはずで、特に次戦と2試合続けて出場する選手はコンディションが心配です」(同)
ただし、28日の試合は単にホームというだけでなく、日本にとってはかなり有利とか。
「直前にサウジ開催と決まったのは北朝鮮代表も同じで、現地入りはなでしこジャパンより遅い22日でした。おまけに飛行機はエコノミークラスと条件はさらに過酷です。罰ゲーム状態と呼ぶべきは、むしろ彼女たちのほうかもしれません」(同)
それでもFIFAランキングでは日本が8位に対して北朝鮮は9位で、通算成績は7勝12敗6分けと大きく負け越している。国立での一戦はぜひ勝利を飾り、五輪出場の切符を掴んでもらいたいものだ。