ドジャース山本由伸の故郷・岡山県備前市が企画「総額6000万円観戦ツアー」にやり過ぎの声

 米アリゾナ州グレンデールで行われているキャンプに参加中のドジャース・山本由伸。打撃練習では最速155キロを出して「85%」と自身を評価するなど仕上がりは上々のようだ。3月20日から韓国で行われるパドレスとの開幕2連戦が「初登板」になるとも言われており、ファンの期待も高まっている。

 そんな現地での盛り上がりと同様にヒートアップしているのが山本の故郷である岡山県備前市だ。同市は「現地観戦ツアー」を企画し、市と市民が一丸となって山本を応援しようと声を上げた。ところが、この観戦ツアーがちょっとした物議を醸しているようなのだ。

「企画の内容はロサンゼルスのドジャースタジアムで試合を観戦するというもので、備前市では市内の中学生を中心とした子供を対象に約200人を募集するとしています。ツアーの運営は民間に委託するそうですが、市はそのために24年度の予算案に6000万円を計上したのです。これは子供1人あたり30万円を補助する形です」(社会部記者)

 山本にとってはなんと頼もしい応援団だろうが、子供1人あたり30万円の助成金はすべて税金から賄われる。また、応募者が殺到した場合、200人に漏れる子供が出てくる可能性も否めない。そうしたことから、市民から「公平性を欠く」「やり過ぎ」など疑問の声が上がっているのだ。

「備前市は昨年も同市出身のオリックス・頓宮裕真を応援するツアーを2度行っています。こちらは大阪の京セラドームへのツアーでしたが、今回は海外ですから、かかる費用も高くなる。それならその分の予算を子育て支援など他の施策にあてるべき、という声が上がっているのです。30万円で足りない分は自己負担になり、また、付き添う保護者の分は全額自己負担になることから、渡航費を出すことができる家庭は限られそうで、これも不公平感につながっています。助成金を受けた裕福層の家族旅行になってしまう、と指摘されていますね」(スポーツライター)

 備前市では昨年、マイナンバーカードの取得を条件に子供の給食費や保育料などの無償化を打ち出したことがあった。だが、市民から異論が噴出したため、吉村武司市長は「当初は想定していなかったが、地方創生臨時交付金を受けられることになった」として、この施策を撤回している。

 今回の現地観戦ツアーに対しても市民の反対の声はやみそうになく、見直しを迫られる可能性が出てきたのである。

(ケン高田)

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